涼やかな花あしらいで気分転換
雰囲気を一変させる手軽で効果的な方法は、植物の力を借りること。生命力溢れる旬の花材を飾った途端に、空間全体がパッと華やいで生き生きとしてきます。
夏の心地よいインテリアのポイントとなる“涼やかさ”を意識して、ガラス素材やたっぷりの水を湛えた口径の広い花器を使います。
idea 1
テーブルを舞台に季節の情景を再現する
「記憶の中の美しい景色を、デコレーションに取り入れることをよくします」と話す横瀬さん。梅雨の時期には、紫陽花で有名な北鎌倉の明月院の風景をテーマにテーブルコーディネートを楽しみます。
センターピースはブルー&ホワイトの紫陽花。ガラス花器をリズミカルに複数並べて、群生のようなダイナミックさを感じさせるアレンジに。
idea 2
ガラスのハンギングベースで
“水を見せる”アレンジを
澄んだ水に木々の清々しい緑を映し込んでいるのは、東京のフラワーショップ「FUGA」で見つけたレインドロップ形の花器。カーテンレールのランナーから透明なテグスで吊るし、ひと枝ずつ紫陽花を挿しました。
ハンギングベースを使った不思議な浮遊感がある花あしらいは、さながら現代版釣り花。ガラスと水の輝きが、雨の雫がきらめくような儚げな美しさを演出します。
idea 3
水に浮かんでいるかのように
ジンジャーを生ける
目に涼やかな睡蓮などの水生植物は、水揚げにテクニックが必要で花持ちが短いのが難点です。そこで花材に、熱帯アジアが原産地のジンジャーを使用。短くカットした花首が倒れないようにテグスで石に固定して、水面に浮かんでいるかのようにいけました。クリスチャンヌ・ペロション作の乳白色の平鉢を花器に見立てた卓上花です。
横瀬多美保(よこせ・たみほ)テーブルコーディネーター、インテリアスタイリストとして『家庭画報』をはじめとする女性誌や料理本で活躍。百貨店やショールームのディスプレイ、商品開発にも携わる。新旧、和洋を自在に織り交ぜた、モダンでエレガントな世界観にファンが多い。
横瀬多美保さんが提案するインテリアレッスンの記事はこちら
〔特集〕小さな工夫で気分転換! 暮らしを彩るインテリア・アイディア(全6回)
スタイリング/横瀬多美保 撮影/鈴木一彦 取材・文/鈴木博美
※本テーマの掲載品はすべて著者の私物であり、アイテムによっては販売終了になっているものもあります。ご了承ください。
※本特集は、『家庭画報.com』の連載と、連載を書籍化した小社刊『テーブルコーディネートから始まる 美しい暮らしのインテリア365日』の一部を再編集したものです。
『家庭画報』2020年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。