2017年のデビュー以来、着実にキャリアを積む寛一郎さん。昨年、10月クールのドラマ『グランメゾン東京』に出演し、注目を集めた。一番の理解者。ちゃんと見て、説得する言葉を持っている
小説『火花』で芥川賞を受賞した又吉直樹さんが著した初の恋愛小説『劇場』を、『世界の中心で、愛をさけぶ』や『ナラタージュ』を手がけた行定 勲監督が映画化。脚本家兼演出家として演劇の世界で夢を追う永田と彼を献身的に支える沙希の、夢と現実の間で揺れる7年間が描かれます。
永田(山﨑賢人)の中学からの友人で、共に劇団を立ち上げる野原役を演じるのは、「彼(永田)に対して、すごくポテンシャルを感じているんだと思うんです」と役の気持ちを語る寛一郎さん。演劇に身も心も捧げながら、実生活では社会や周囲の人々と協調できず、自意識とうまく折り合いがつけられない。そんな永田のことをよく知っているのが野原だと寛一郎さんは言います。
「ほかの人が見たら、あまり面白くないかもしれないけど、野原は学生時代に永田が書いた脚本を読んで、何か自分にないものをもっていると感じたんだと思います。だから、お互いにリスペクトしあえる部分が永田と野原にはあって。大人になってからも、俯瞰したら諦めているんですけど、野原の主観では永田の才能をたぶん信じていたんじゃないかな。永田の一番の理解者で、ちゃんと彼を見ているし、彼を説得する言葉を持っているのが野原です」