国産の小麦栽培を応援するという目標のため、どうやったら本当においしいパンが焼けるのかを考え抜き、地元産の小麦を自社製粉してパンを作るという地産地消への挑戦は、「湘南小麦プロジェクト」と名づけられています。今年はその10年目。試行錯誤を続けながら製粉技術を磨いてきました。
ミルパワージャパンの契約農家の小麦畑。緑の濃い部分は農道、右側が小麦畑、正面が大山。神奈川県の中央に位置する伊勢原市では、かつては表作(水稲)と裏作(小麦)の二毛作が盛んだった。
ミルパワージャパンの10周年イベントのひとコマ。湘南小麦を愛用する有名パン職人たちが集合して。
ゆっくりと手間をかけて挽いた小麦粉は、雑味がなく麦本来の甘みと香りが引き出せると評判を呼び、今では多くの有名パン職人が湘南小麦を使って、パンを焼いています。香り高くおいしいパンへの支持が広がるにつれて、小麦の取り引き農家も増え、作付け面積も生産量も大幅に増加。
踏めば踏むほど強く育つ、小麦の元気に学ぶ食育イベント「麦踏み塾」の活動が始まったり、東京農業大学と共同で「パン食文化フォーラム」が立ち上がるなど、パン屋さんと小麦農家の関係を超えて、プロジェクトは大きく広がりつつあります。まずは、南小麦で焼かれたパンを味わってみてください。国産小麦の秘められた実力に驚くはずです。
Information
ムール ア・ラ ムール
神奈川県伊勢原市板戸645-5
「家庭画報」2017年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。