第3回 櫛・ヘアブラシ
パリジェンヌのナチュラルなグラマラスさの秘訣とは?
パリで出会った女性たちに「パリジェンヌの魅力を一言で表現すると?」と尋ねると、その答えの実に8割近くが「自然体なセクシーさかしら」というものでした。
確かに、パリでは同性でも心惹かれるような“肩の力の抜けたフェミニニティ”にあふれた女性たちを多く見かけます。
その理由はどこにあるのだろうと、しばし道ゆく女性たちを眺めていたところ、これはファッションだけでなく、彼女たちのヘアスタイルにも秘訣があるのではないか?と思うに至ったのです。
パリジェンヌのヘアケアへのこだわりについて語ってくれたのは、パリ在住の友人が教えてくれた高級ヘアブラシ&ヘアジュエリー専門店「Guêpes & Papillons(ゲップ エ パピヨン)」の創設者でありデザイナーのカミーユ・ルヴィエさん。計算されたラフな女性らしさに魅せられて
無造作にまとめられたシニヨンや手櫛で整えたようなセミロング、そしてあえて乱したようにスタイリングされたショートヘアなど。ラフなのに緻密に計算されたようにエレガントで、芯の強さを感じさせながらも、ちょっぴり“隙”のある女性らしさがなんとも魅力的。
でもこれって、フランスという地に移り住んで1年ちょっとの移住初心者の私には、そうそう真似できそうにありません。
パリジェンヌたちの日々のヘアケアに興味を持った私は、パリ・ラグジュアリーの象徴的エリアである16区に、高級ヘアブラシ&ヘアアクセサリー専門店「Guêpes & Papillons(ゲップ エ パピヨン)」を構えるパリジェンヌ、カミーユ・ルヴィエさんにお話を伺いました。
18世紀のブドワール(婦人のプライベートルーム)をイメージしたというブティックは、リュクスなエレガンスなムードに満ちた、女性の夢を形にしたような空間。“美しいナチュラルヘア”は日々のケアあってこそ
「ボエム(自由で気まま)でナチュラルなムードを好むパリジェンヌたちにとって、その雰囲気を作り出すためのヘアケアはとても大切。
パリでは髪をセミロングに伸ばしている女性が多いのですが、そのヘアにボリュームを与え、保湿し、髪を輝かせ、スタイリングするためには、良質なブラシは必須であり、パリジェンヌたちのおしゃれの強い味方といえます。
ロマンティックなシニヨンを実現するために、自宅で朝晩丁寧に髪をブラッシングし、豊かな髪を育むケアを惜しまない女性も多いでしょう。
ヘアブラシを常にバッグに忍ばせて、交通機関での移動中やカフェのテラスなどで、待ち合わせの直前にとても控えめにブラシで髪を整えている女性たちを、パリではよく見かけます」
ヘアケア&スタイリングといえば、日々のシャンプー&ドライヤーで乾かしてまとめるだけという、あまりに自分の髪をおざなりにしてきた私ですが、日々の心構えからして、パリジェンヌの足元にも及ばなかったことを実感しました。
イノシシやブタの毛、牛の角など天然素材にこだわったブラシ。食肉処理された牛の角のみを使用するなど、環境にも配慮。アルファベットを刻んで名入れできるのも嬉しい。