春夏秋冬雄大な景色を旅する 日本の絶景遺産 第4回(全13回) 豊かな自然に恵まれた日本には、絶景の名にふさわしい、感動を呼ぶ風景が数多くあります。未来に伝えたい“絶景遺産”を美しい写真でご紹介、今改めて“美しい国、日本”をお届けします。
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“次世代に伝えたい風景”
日本に残る自然と調和した歴史ある町並みや昔ながらの民家、手つかずの原生林……。外からの目が、私たちに気づかせてくれます。それが、世界でも類を見ない、かけがえのない美しい風景であることを。
大雪山国立公園の深部にあたる大雪高原。「大雪高原温泉沼巡り登山コース」内の滝見沼周辺は秋になると錦のような紅葉で彩られる。私を魅了した神々の遊ぶ庭
【北海道・大雪山国立公園】
──ステファン・シャウエッカーさん
北海道の半分ほどの小さな国スイス出身で、広大な自然に魅せられてきた。初めて大雪山国立公園を訪れたとき、日本にこれほど大きな手つかずの自然があることに、大変驚いた。標高が高い場所まで行くと、気候が厳しく背の高い木々が生長できないため、広大な火山群を遠くまで見渡せ、大パノラマを楽しむことができる。
厳しい気候はまた、日本でどこよりも早くここに紅葉と雪の季節をもたらすのだ。私は2008年から、毎年9月中旬に大雪山を訪れ、紅葉の始まりをレポートしてきた。まだ夏の猛暑が続く関東を離れ、さわやかな秋の空気の中で、息をのむようなカラフルな風景を眺めながらハイキングするのを、毎年楽しみにしている。
ステファン・シャウエッカー
スイス・チューリヒ生まれ。ジャパンガイド株式会社代表取締役社長。1996年、カナダで日本観光サイト「ジャパンガイド」を開設。 〔特集〕春夏秋冬雄大な景色を旅する 日本の絶景遺産(全13回)
写真/アイノア=山梨勝弘
※誌面で紹介した絶景は、季節や気象条件などにより見られない場合があります。ご了承ください。
『家庭画報』2020年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。