左から阿部サダヲさんと奥平大兼さん。奥平さんが初めて名前を覚えた俳優が阿部さんで、“いい人”というイメージを持っていたそう。2014年、17歳の少年が祖父母を殺害するという事件が起こりました。この事件に着想を得て制作された、映画『MOTHER マザー』が完成。親子関係のあり方を問う本作で、男たちとゆきずりの関係を持つなど、その場しのぎで生きてきた奔放なシングルマザー・秋子(長澤まさみ)に忠実であることを強いられ、その歪んだ愛に翻弄されながらも応えようとする息子・周平を演じた奥平大兼さんと、秋子と意気投合して内縁の夫になるホスト・遼役の阿部サダヲさんにお話を伺いました。
——奥平大兼さんは『マルモのおきて』で阿部サダヲさんを知ったそうですが、共演して印象は変わりましたか?
奥平大兼さん(以下、敬称略):テレビで観ていたときは、すごくいい人というイメージでした。
阿部サダヲさん(以下、敬称略):いい人(笑)!?
奥平:いいお父さんというイメージというか。だから、この作品で阿部さんが演じている遼とのギャップがすごいですよね。でも、本番中も笑わせてくださったり、現場ではすごく面白かったです。
——阿部さんは奥平さんと初めてお会いになったのは、撮影現場ですか?
阿部:まだ幼いときの周平(郡司 翔)と一緒に撮影をしているときから、毎日のように撮影を見にきていて。最初は(奥平さんだと)わからなくて、「格好いい男の子がいるな」っていう印象だったんですよね。堂々としていて、佇まいもよくて。芝居をしているときも、いい意味で物怖じしないというか。今、ここで話しているようなトーンと変わらずにできるから。「お芝居します!」みたいな感じじゃなくて、セリフも自然だし、すごいなと思いましたね。冬華(浅田芭路)とも自然に遊んでて。ずっと遊んでるから、そのまま撮られてるシーンもあるんじゃない?
奥平:ありました。
阿部:それぐらい自然で。すごいですよ。