羽根田卓也/はねだ たくや(カヌー選手)1987年、愛知県出身。高校卒業と同時にスロバキアに単身で渡り、現地の大学に拠点を置いて強化を図る。18歳のとき、ワールドカップのスラローム男子カナディアンで日本人初となる決勝進出。以後、北京五輪14位・ロンドン五輪7位入賞という結果を経て、リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得、アジア人初のカヌー競技でのメダル獲得となった。ミキハウス所属。1.日本情緒豊かな琵琶の音は、ロングドライブの友
日本コロムビア 2381円+税半田淳子『琵琶 半田淳子の世界』
小学生の頃からお寺に行ったり仏像の名前を覚えたりするのが好きで、今も歴史小説を好んで読みます。
歴史小説には時折、琵琶法師が登場するシーンがあり、琵琶の音色の物寂しさが小説に奥行きを与えていたりして、常々、心を惹かれていました。
琵琶って一体どんな音を出すんだろう、実際に聴いてみたい── そう思っていたときに出会ったのが、半田さんのアルバムです。
中には『平家物語』から「祇園精舎」、「妓王」、「敦盛の最期」という3つの創作琵琶曲が収められていて、聴いていると琵琶の音色と『平家物語』のストーリーとが重なりあって、胸が熱くなります。
『平家物語』には、栄華を極めた人もやがては滅ぶという儚さが表現されています。それが世の常であり、一時の栄華にすがるのは愚かであると。そんな戒めを教訓として生きていきたいものです。
このアルバムは1曲が長いので、合宿先に向かうロングドライブのときなどによく聴きますね。
運転しながら山道を走っていると、琵琶の音と情景が調和して日本ならではの情緒を感じるんです。感情を揺さぶる音楽ですね。
2.スロバキアでの日々を支えてくれた曲
VERMILLION RECORDS 903円+税B'z「ねがい」〈シングル〉
1987年生まれの僕にとって、B'z は物心ついたときから第一線で活躍するアーティスト。
高校を出てスロバキアに渡ってからは、CDを買ってちゃんと聴くようになりました。
なかでも好きなのが「ねがい」です。人任せではなく、願いが叶うように生きろという歌詞が僕の競技人生に重なり、厳しい練習の日々に力を与えてくれました。
3.リラックスタイムにラルクは不可欠
キューンミュージック 971円+税L'Arc ~en ~Ciel(ラルク アン シエル)「LOVE FLIES」〈シングル〉
ラルクは小学生の頃から好きで、中学生になってから兄と一緒にライブにも行きました。以来、ずっと聴いています。
実は、僕もギターを弾くので、「LOVE FLIES」は日々のギター練習曲でもあるんです。いつか一曲まるごと弾けるようになりたいものですね。
競技から離れた音楽の時間は英気を養うリラックスタイムとなっています。
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取材・構成・文/冨部志保子
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。