僕がソラだったら? 僕がトキオだったら?
本作におけるリアルと幻想を正しく知っておくことは、トキオを演じる上で必要でした。現実に起きていること、行っていることは「ちゃんとやらなきゃいけないんですよ。そこがちゃんとしていないと、もう何を見せられているのか、わからなくなってしまうから」と笠松さん。逆に、「幻想の中では、けっこう何をしてもいいというか」と続けました。
「例えば、“すごく優しい”。本当は、そんなに女性に寄り添うわけでもないんですけど、女性側の幻想の中ですから、それはちょっと自分に優しいようにしちゃうよなって。だからといって、特別そこを意識してはいないですけど。ただ、僕が女の子だったら、こうしてもらったほうがうれしいかな、みたいなところを考えて演じていたのが幻想のほうで、ホントのトキオのほうは、僕だったらこうするよなっていうことはあったかもしれないです」
「僕だったらこうする」は、本作に限らず、笠松さんが役を演じるときのキーワードかもしれません。
トキオは贋作画家。笠松さんも絵を描くのが好きなため、「あなたっぽい」とマネージャーさんが言うので、「やろうか」という運びに。