演じる役は、すべてが笠松さん。そのココロは?
「僕なんですよ、トキオは。ほかの作品の役も、全部僕なんですよね。台本を読んで、僕がこういう生き方をしたら……。僕は(身長)182cmのこういう顔をした27歳の男ですけど、今、僕が持っているもののまま、この(役柄の)人生に遭遇すべき環境に生まれているんだとしたら、どうするかなって。答えは決まってるんですよ。“ここでこうする”っていうのは決まってるんですけど、そのときに僕はどうやって“こうする”のかって。トキオが怒るにしても、静かに怒るのか、暴れ散らかすのか。大筋の台本はあるにせよ、どういうふうに怒るのかっていう部分は、僕だったらこうやって怒るかなって考えます。
僕、役作りとか役が抜けないとかって、ちょっと“え?”ってなるというか。場があって、相手がいて、その場にいる人たちが流れを共有してってなると、勝手にできていくんですよね。例えば普段でも、話す相手が親友なのか、女の子なのか、偉い人なのか、ちゃんとした場なのか、ラフな場なのかで話し方も違ってくるじゃないですか。でも、作ってるわけじゃない。作ったものって、限界があるかなと。一つ前のことと、先にあることは意識しますけど、セリフだけ入っていれば、環境とか衣装とか相手とかで勝手にその人になっていくと思っています」
サッカーのゴールキーパー歴10年の笠松さん。本作の中にはサッカーをするシーンもありますが、「今は観るのが好き。ずっと観てます」。