本当の豊かさ宿る「昭和遺産」 第4回(全14回) 世の中は、デジタル化、スピード化が急速に進み、私たちの暮らしはますます便利で快適なものになりました。しかし、はたして私たちは幸せを手にすることができたといえるのでしょうか。私たちの暮らしはどこかで、大切なものを置き忘れてしまっていないでしょうか。義理人情に厚く、おせっかいで、濃密な人間関係に支えられた昭和という時代。どこか不器用でアナログな“昭和”を見つめることで、合理性一辺倒ではない、暮らしの豊かさを再発見していきます。
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懐かしいあの頃に戻って【駄菓子屋】
東京・雑司が谷に現存する昭和の趣漂う駄菓子屋
かつて、学校から帰ったら、わずかなお小遣いを握りしめ駄菓子屋へと走ったもの。色とりどりの駄菓子から、メンコや紙飛行機といったおもちゃまで揃う店は子どもたちの遊びの拠点だった。
店主の内山雅代さんが迎える東京・雑司が谷の「上川口屋」は、昔ながらの駄菓子屋の魅力を今に伝えるお店。侘びた木造の軒先に、ずらりと並んだ駄菓子を眺めるだけでワクワクした気持ちが甦る。身近な“昭和”は、今もあちこちに残っている。
●上川口屋住所:東京都豊島区雑司ヶ谷3-15-20
「#昭和遺産」の記事一覧 撮影/大泉省吾
本誌が考える【昭和遺産】とは、昭和時代に生み出されたもの、もしくは昭和時代に広く一般に親しまれたもので、次世代へ継承したいモノ、コト、場所を指します。
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。