夜空に瞬くコメット(彗星)以外にも、マドモアゼル シャネルが愛した数々のモチーフは、シャネルの重要なアイコンとなっています。彼女がデザインしたキルティングバッグにちなんで、ゴールドにキルティング状の表情をもたせた“ココ クラッシュ”。獅子座生まれの彼女がお守りとして、アパルトマンのあちこちに飾っていたライオンをモチーフとした“Sous le Signe du Lion”など。
なかでも、年齢を問わず、身につけるすべての女性に優雅な気品と女らしさを添えてくれるのが、彼女が最も愛したカメリアの花のジュエリーです。1923年に登場して以来、シャネルのさまざまなアイテムに展開されてきたカメリアの花のモチーフ。カンボン通りの本店ブティック上階にある彼女の部屋には、今もカメリアの花の象嵌細工を施した、お気に入りのコロマンデル様式の屏風が残されています。
センターに輝く1.05カラットのダイヤモンドを花芯に、大小のダイヤモンドのラインで花びらを描いた写真のリングは、左右の指にかかるほどのボリュームがありながら、ダイヤモンドの輝きと空間を生かしたデザインの効果で、印象は驚くほど軽やか。マドモアゼル シャネルのように、新しい時代を鮮やかに生きる女性に似合うジュエリーです。
【BRAND STORY】母から娘へ- 受け継がれる銘品を創造する 世界のトップジュエラー
構成・文/清水井朋子