『べつの言葉で』
ジュンパ・ラヒリ 著/中嶋浩郎 訳 新潮社 1600円デビュー作『停電の夜に』でピュリツァー賞はじめ各賞を受賞したジュンパ・ラヒリ。『べつの言葉で』は彼女にとって初の、そしてイタリア語で書かれたエッセイ集。
1994年に旅したフィレンツェでかの地に恋し、以来、イタリア語を学び始めたラヒリ。
母語のベンガル語を離れ、英語で小説を書き、自分が選んだ言語で新しい創作の扉を開いた著者の強い思いに心を摑まれる。
『プーさんの鼻』
俵 万智 著/文春文庫 429円短歌は心が揺れるときに生まれるもの。そう語っているように、つねに今、この瞬間に自分が心を奪われるものを見つめ、31文字で表現する俵 万智さん。
『プーさんの鼻』は、日々変化してゆく子どもの成長に触れた驚きを、鮮やかなことばで切り取った歌集。
『そんなとき隣に詩がいます
鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩』
谷川俊太郎、鴻上尚史 著/大和書房 1500円「バンザイの姿勢で眠りいる吾子よ そうだバンザイ生まれてバンザイ」。
『そんなとき隣に詩がいます』は、劇作家の鴻上尚史さんが谷川俊太郎さんの詩のなかから“どんなときに”読みたいか、状況を設定して選び、エッセイとともに紹介する、いわば処方箋つき詩集。
渇いた喉を潤す水のように、心と体にしみわたる谷川さんのことばが、鴻上さんのガイドによって、より一層、身近に感じられるはず。
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『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。