3代にわたり受け継がれてきた技と
デザイナー自身の美意識が融合
ドナテラ・ペリーニの独特な石使いは、デザイナーのドナテラ・ペリーニ自身の高いセンスによるもの。
そもそもは1947年に、祖母がミラノでコスチュームジュエリーのブランドを創業。ドナテラは幼少の頃から、祖母や母が仕事をするアトリエが遊び場で、アクセサリーが玩具代わりという環境で育ったのだそう。親子3代にわたって受け継がれてきた家業は、彼女の代で大きく飛躍し、2001年に自らのクリエイティビティを追求したプライベートライン「ドナテラ・ペリーニ」をスタート。
12、3年前、伊勢丹のスペシャルオーダー会で作った宝物のネックレス。写真の猫は、なんとおおさわさんの愛猫だったトラキチ君の遺影。「好きな写真をネックレスにしてくれるというスペシャルオーダー会で注文した思い出のネックレス。よく見るとトラキチがネックレスをしているのですが、実はこれ、ドナテラさんが写真に手を入れてくれたそう。猫がネックレスをしているというエスプリが最高でしょう! 写真部分のレジン(樹脂)の色、チェーンやあしらわれている石に至るまで、彼女が猫のイメージに合わせてすべて選んでくれたと伺っています。本当に世界でひとつを実感できる宝物です」。ネックレスおおさわさん私物。世界中から収集した天然石とグラスビーズなどを組み合わせたコスチュームジュエリーは、すべてドナテラ自身が目を通し、昔ながらの伝統を受け継ぎながら、職人がハンドメイドで作っているもの。
彼女自身の高いセンスと魂が宿っているからこそ、ドナテラのジュエリーには、一度使うと離れられなくなるパワーがあるのだと思います。コレクターが多いといわれるのも、多分そのため。天然石のパワーと、ドナテラの美意識が融合した唯一無二のコスチュームジュエリーには、魔力のようなものがある気がします。
コスチュームジュエリー選びには
つける女性の性格がにじみ出る
同じデザインでも石の色の組み合わせでまったく印象が違ってくるドナテラ・ペリーニのジュエリー。ぴんときたものを少しずつ買い集め、今ではネックレスを15本、イヤリング7~8点、ブレスレットを数本所有しています。
私が持っているのはほとんど、グレー系やクリア系など落ち着いた色の天然石とパールを組み合わせたタイプ。ワントーンコーディネートが好きなので、普段着ている洋服になじむように合わせるのがこだわりです。
数ある中でも、一番出番が多いのがこのグレーの石×パールがグラデーションになったネックレス。「グレー系のネックレスをずっと探していたときに出合い、『ここまで思い通りのものに巡り合えるとは』と感激したのを覚えています。小物をシルバーにすると、ワントーンでも華やかな雰囲気に」。ネックレス、イヤリング、ワンピース、バッグすべておおさわさん私物。コスチュームジュエリーのつけ方で、その人の性格が見てとれるものなんです。
たとえばアクセントカラーや大ぶりなデザインのものを好む人は、性格も華やか。アクセサリーにポイントを置かず小さくまとめるのを好む人は、わりと控えめな方が多いですね。自分がどちらのタイプで、どんなときにつけたいのかを考えて選ぶと、失敗しないと思います。
実は、私自身も最初からうまく選べたわけではありません。「ドナテラ・ペリーニ」に出合ったことで、洋服選びそのものが変わっていったのです。次回は、洋服との上手なコーディネート法についてお話ししたいと思います。
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第16回 迫力のコスチュームジュエリーを自分らしくつけこなすには?>>
●お問い合わせ
ドナテラ・ペリーニ/日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー
電話 03-3284-8248
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
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撮影/大見謝 星斗 編集協力/湯澤実和子