日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント 第8回(全9回) 年間4000個もの贈り花を手がける「フルール トレモロ」は、暑い時期でもオーダーが途切れることがありません。それは日本各地から取り寄せた、夏ならではの魅力的な花が揃い、オーナーの藤野さんがナチュラルでエレガントなブーケやアレンジメントを作ってくれるから。住まいに飾るのはもとより誰かに贈りたくなる、素敵な夏の花あしらいをご紹介しましょう。
前回の記事はこちら>> 夏だからこそ、飾りたい。涼へと誘う白い花、青き花
優雅さと同時に、夏の花あしらいに求められるのが涼感です。涼しげな花色といえば、白と青。どちらも素敵な花がたくさんあります。ほかの花をどう合わせるかで印象も変わるので、より涼しい組み合わせを探してみてください。
際立つ白さがもたらすクール&クリーンの世界
《庭摘みのようなフレッシュ感。白いダリアの涼感ブーケ》
白いダリアに紫混じりのニゲラ。花の大小感から、ブーケ全体がリズミカルな雰囲気に。リキュウソウのつるが生み出す動きが、水の流れのようにも感じられ、より爽やかな印象に。
使用花材 ダリア“彩雪”、ニゲラ“デルフトブルー”、リキュウソウ、ヨウシュヤマゴボウ、フランボワーズ色自体は温度を持ちませんが、視覚的に寒く感じられる色、暖かく感じられる色があります。白は色みを持たない無彩色のため、そのどちらでもなく、温度を感じさせない色といわれています。
その白を見て、真っ先に思い浮かべるのが、清潔感や清楚さではないでしょうか。それが白い花の持つ涼感につながるのでしょう。
ちなみに、パステルカラーでも、白を多く含む淡い色ほど、感じる温度は低くなります。また葉色のグリーンも、涼しさを感じさせる色なので、白花との組み合わせにおすすめです。
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「フルール トレモロ」藤野幸信さんの連載「365日の贈り花」 〔特集〕日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント(全9回)
写真/藤野幸信 撮影/北恵けんじ 取材・文/高梨さゆみ
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。