NHK杯欠場、5連覇を目指したGPファイナル棄権の衝撃
そんな中で起こった11月9日の公式練習での転倒。4回転ルッツの着氷に失敗したあと、痛みに顔をゆがめ、顔面蒼白になりながらも必死に冷静さを保とうとする羽生選手の様子を見て、「これはNHK杯への出場は難しいのでは……」と頭をよぎった予感が的中してしまいました。
11月9日の公式練習中にまさかのアクシデントが羽生選手を襲った。ロシア大会で成功した4回転ルッツにトライして不穏な着地に。翌日、欠場が発表された。
医師の見解は「右足関節外側じん帯損傷」の診断で10日間は絶対安静が必要、その後、元に戻るまで最低3~4週間を要するだろうとのこと。NHK杯を棄権することで、5連覇がかかっていた12月7日からのGPファイナルにも出られなくなってしまいました。
欠場発表と同時に出された羽生選手からのコメント。NHK杯での優勝、GPファイナル5連覇の夢も断たれてしまった、言葉にできない無念さは察するに余りある。
待ちに待っていたオリンピックシーズンのこの時期に、これほどの試練を与えられるのか……。胆嚢手術のため同行できなかったブライアン・オーサーコーチに代わり、羽生選手に付き添っていたジスラン・ブリアンコーチは、欠場を決めた羽生選手が涙していたことを明かしていましたが、その悔しさ、悲しみはいかばかりでしょう。
真摯にフギュアスケートに向き合っているスケーターたちの怪我の報告に触れるたび、やりきれない思いでいっぱいになります。でも、この試練に飲み込まれてしまう羽生選手ではないはず! 12日に発表された文面には「何とか全日本(選手権)までに間に合うよう治療・リハビリに努力いたします」という力強いコメントがありました。