胸熱になる演技の連続! 女子もペアもアイスダンスも見どころ満載
男子シングルだけでなく、すべての種目において見応えのある熱戦が繰り広げられたNHK杯。なかでも中国のペア、ウェンジン・スイ選手/ツォン・ハン選手(通称スイハン)やアイスダンスのカナダ代表テッサ・バーチュ選手/スコット・モイヤー選手(通称テサモエ)、イタリア代表アンナ・カッペリーニ選手/ルカ・ラノッテ選手(通称カペラノ)などは、圧倒的な集中力と存在感でワンランク上の演技を披露してくれました。
カロリナ・コストナー選手(イタリア)。2006年のトリノ五輪から連続出場を果たしているフィギュアスケート界のミューズ。SP「Ne Me Quitte Pas」、FSドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」の両プログラムにおいて、崇高さ漂う演技で会場を魅了しました。
合計212.24点、2位
女子シングルも胸熱シーンの連続! ノーミスに近い演技を披露して涙を見せたロシアのアリョーナ・レオノワ選手、崇高な演技で観客をうっとりさせてくれたイタリアのカロリナ・コストナー選手、そして320日ぶりに復帰して満場の拍手を浴びた宮原知子選手。優勝は女王エフゲニア・メドベージェワ選手(ロシア)でしたが、どの選手のパフォーマンスも胸に迫るものがありました。
宮原知子選手(日本)。左股関節の疲労骨折からおよそ320日ぶりに競技へ復帰した宮原知子選手。5位という結果ではありましたが、久しぶりの復帰戦ここまでよく仕上げて戻って来てくれました。表現力は前にも増していたので、あとは体力をどこまで戻せるか。全日本選手権が楽しみです。合計191.80点、5位
最後の最後ですべての見せ場が歌手アダム・リッポン選手に持って行かれてしまった感がありますが(笑)、円熟味あるパフォーマンスが数多く披露され、余韻の残る忘れがたい大会となりました。
羽生選手も前に言っていましたが、「全員がベストな状態でオリンピックの舞台で戦いたい」。皆が目指す平昌五輪。素晴らしい演技が続出する眼福の祭典になることを願ってやみません。
小松庸子/Yoko Komatsu
フリー編集者・ライター
世界文化社在籍時は「家庭画報」副編集長としてフィギュアスケート特集を担当。 フリー転身後も「家庭画報」誌面にてライフワークとして大会やアイスショーなどを取材。
取材・文/小松庸子 撮影/坂本正行(世界文化社写真部)