家庭画報のレジェンド・レシピ スパイス香る真夏の「名人カレー」 第9回(全15回) 創刊号から最新号まで、『家庭画報』に掲載された膨大な数の料理レシピの中から、今、改めてお伝えしたいものを編集部が厳選してお届けする「レジェンド・レシピ」。今回は暑い夏に食べたい料理の筆頭格、カレーの名作レシピをお届けします。スパイスづかいやちょっとしたひと手間に、作り手のセンスが光るアイディアが満載。異国情緒たっぷりの「名人カレー」に挑戦して、夏を元気に乗り切りましょう。
前回の記事はこちら シェフが提案するお洒落な逸品
おもてなしのフレンチカレー
長尾和子さん(料理家)のアイディア
フレンチの煮込み料理にスパイスを効かせて
「スパイスを程よく効かせたカレー仕立てにすると食欲も増しますし、いつもと違うエキゾチックなテイストが加わって、おもてなしの席でも喜んでいただけます」と、煮込み料理をスパイシーに仕立てたフランス風のカレーを提案してくれたのは長尾和子さんです。
素材の持ち味を際立たせる料理を旨とする長尾さんのスパイスづかいはいたってシンプル。パウダー状の5種のみを使い分け、基本的に仕上げの段階で加えます。大切なのは、調合したスパイスを鍋でからいりして風味を強めてから使うこと。さらに、主役となる具材のうまみや食感を生かすため、煮込みすぎないこともおいしく作る秘訣です。
長尾さん直伝・5種のスパイスの詳細はこちら>>長尾和子さん
(ながお・かずこ)1970年代に渡仏し、フランス料理の研鑽を積む。帰国後レストランを開き、日本における女性フレンチシェフの草分け的存在として注目される。芯の通った味の表現は、幅広い層のファンに愛されてきた。2019年惜しまれつつ「マリー・クロード」を休店し、現在は料理教室等で活躍中。
※2013年8月号「フレンチカレーで夏のおもてなし」より。
カレーパーティの前菜に
スパイスを効かせた夏野菜の小皿料理を
スパイシーコーン (A)
【材料(4人分)と作り方】(1)とうもろこし1本はゆでて、3cm程度の厚さの輪切りにしておく。
(2)フライパンにバター大さじ1を入れて火にかけ、温まったら(1)のとうもろこしを入れてソテーし、塩・こしょう・ガラムマサラを各適量加えて味をととのえる。
大根のピリ辛レモンソテー (B)
【材料(4人分)と作り方】(1)大根1/2本は4~5cmの拍子木切りにする。
(2)フライパンにオリーブオイル大さじ1をひき、温まったら大根を入れてソテーする。しんなりしてきたら、塩・こしょう各適量とレモン汁大さじ1を加え、味をととのえる。皿に盛り、仕上げにカイエンペッパーを好みの辛さになるよう加減しながらふりかける。
きのこのマリネ コリアンダー風味 (C)
【材料(4人分)と作り方】(1)しいたけ4枚は石づきを切り落とし、それぞれスライスする。しめじとえのきたけ各100gは小房に分ける。
(2)フライパンにオリーブオイル大さじ1をひいて火にかけ、(1)を入れてソテーする。
(3)きのこに火が通ったら、赤ワインビネガー大さじ1を加えてフランベし、塩・こしょう各適量で味をととのえ、コリアンダー小さじ1をふり混ぜる。火からおろして皿に盛りつけ、オリーブオイル適量をかける。刻んだあさつきを散らす。
ゴーヤーのセサミソテー (D)
【材料(4人分)と作り方】(1)ゴーヤー1本は縦半分に切って種を除き、8mm程度の厚さにスライスする。
(2)フライパンにオリーブオイル大さじ1をひき中火にかけ、温まったらゴーヤーを入れて炒める。しんなりしてきたら塩・こしょう各適量を加え、アニスパウダー小さじ1とバルサミコ酢大さじ2を加え混ぜて火を止める。仕上げにすり黒ごまをたっぷりふり混ぜる。
揚げなすとトマトのマリネ クミン風味 (E)
【材料(4人分)と作り方】(1)なす4個は乱切りにし、オリーブオイルで素揚げにして、クミン・塩各少々をふりかけておく。トマト2個は皮を湯むきし、種を除いて乱切りにする。
(2)ボウルに(1)を入れてクミン小さじ1、赤ワインビネガー大さじ1、塩・こしょう各適量で味をととのえる。器に盛り、仕上げにオリーブオイル適量をかけてディルを添える。
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撮影/阿部 浩 イラスト/金子ともこ 文/鈴木博美
※レシピは、掲載時の材料と作り方を基本としています。
※ご紹介した料理はあくまで家庭で作るために考案したものであり、料理店ではオーダーできません。
※各レストランの営業については、お店に直接お問い合わせください。
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。