業種別のガイドラインや地域の流行状況をチェック
このような新型コロナウイルス対策を加味して、5月4日、新型コロナウイルス感染症専門家会議の提言を踏まえ、厚労省が「新しい生活様式」を公表しました(
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そこには、人との間隔をできるだけ2メートル(最低1メートル)あける、会話は真正面を避けるといった「1人ひとりの基本的な感染対策」、毎朝の体温測定といった「日常生活を営む上で基本的な生活様式」とともに、「日常生活の各場面での生活様式」「働き方の新しいスタイル」も紹介されています。
今井先生は「今後の生活は、この“新しい生活様式”が参考になります。文書を一読して、生活に取り入れてほしいですね」と話します。
接触と飛沫で主に感染
ウイルスがいる場所を触った手で口・鼻・目を触ることで感染する接触感染、唾液、くしゃみや咳のしぶきによる飛沫感染が主な感染ルート。また、各種のサービスは利用者である私たち自身が積極的に感染対策をチェックすることも必要になってきます。
新型コロナ対策は業種によって異なるため、政府は業種別ガイドライン(
業種別ガイドラインの詳細はこちら>>)を公表し、業界に遵守を呼びかけています。
「出かける前に行き先のお店などにどんな対策を施しているかを電話やメールで問い合わせたり、その業種のガイドラインをざっと読んだりするといいと思います。もし、その問い合わせ時や実際に行ったときに“感染のリスクが高そう”、“ガイドラインが遵守されていない”と感じるようなら、自分を守るために、そこには行かない。同じ業種でも各々の業者によって、新型コロナ対策はまちまちですから、ガイドラインのような判断材料があるといいですね」と今井先生。
これまで感染を広げるクラスターになったスポーツジム、カラオケ店、ライブハウスなどは特にチェックをするのがよさそうです。
また、同じくクラスター化した冠婚葬祭の集まりは「人数を制限して広い場所で行う、個別にお参りする、今年やらなくてもよければ延期するといった工夫を」。
親しい人の集まりや飲み会はなるべくオンラインにすると安全です。
場所別・感染リスクの程度
『企業のための新型コロナウイルス対策マニュアル』(和田耕治著、東洋経済新報社)を参考に作成感染のリスク(上の表)は、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい持病があるか、無症状でも感染させやすい子どもや若者が近くにいるかといった自分や家族の状態、外出先が密になるかどうかといった環境、あるいは自分の体調などによって変わります。
「そのときそのときの自分の判断が求められます」と今井先生。
また、地域の流行状況もチェックしましょう。
「第1波では、全国一律の緊急事態宣言で自粛を要請しましたが、今後は地域の流行状況をみながら対策を変えていくべきでしょう。自分の地域、あるいは行こうとしている地域が今、どんな流行状況なのかを自治体のホームページなどで確認したうえで、行動を決めるようにしたいですね」。
withコロナは最低でも2年は続き、私たちは新型コロナウイルス感染症について正しい知識を持ち、新しい生活様式に慣れていかなければなりません。
「比較的リスクの低いことは感染者が少ない時期に楽しんでいただきたいですね。そして流行期に入ったら、自分も感染しているかもしれないと考えて行動する。感染は100パーセント防げるわけではありませんから、自分もかかる、人にもうつすと考え、またかかった人を差別することもないようにしたいですね」。
〔特集〕新型コロナウイルス感染症と共存するために「50歳からの心と体の新習慣」(全11回)
取材・文/小島あゆみ イラスト/にれいさちこ
※2020年6月30日現在の情報をもとに記載しています。
『家庭画報』2020年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。