口の中の衛生を保ち、たんぱく質を摂取する習慣を
持病のある人はかかりつけ医への定期受診を続け、治療や検査を中断しないことが基本です。
その上で佐々木先生は、高齢者が特に心がけたい健康管理のポイントを次のように付け加えます。
「まずは口腔内の健康。歯科受診をためらうと口の中が不衛生になって誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まり、致命的な事態を招きかねません。
そして運動量が減る今こそ、筋肉量を落とさないためにたんぱく質を普段より多めにとってください。高齢者の感染率・死亡率は痩せ型より太めのほうが低いとのデータがあります。コロナ太りを気にする必要はありません」
高齢者の健康を保つための5か条
1. 社交の機会を減らさず、できるだけ人とかかわる。
2. 介護サービスは従来どおりのペースで利用する。
3. 定期受診を怠らず、薬の服用や検査を中断しない。
4. 口腔内を衛生的に保ち、誤嚥性肺炎を防ぐ。
5. たんぱく質を多めに摂取し、筋肉量の低下を抑える。
コロナに劣らず熱中症も大きな脅威です。家族が気をつけて室温調整や水分補給を促しましょう。
離れて暮らす場合は、現地の民生委員や医療・介護の専門家と課題を共有して見守り体制を整える、活動状況や室温の異常を家族の端末に知らせる見守りデバイスを利用するなどの対策も考えられます。
万が一家族の誰かが感染し自宅療養になったときは、感染者用の部屋を1つに決め、熱が下がってから3日間はその中で過ごすようにします。
トイレは他の家族と時間を分けて使い、使用後は念のために消毒をします。
「手洗い、マスク、体液に触るときの手袋、換気。4つの標準予防策を徹底すれば、家族が感染者をケアしても濃厚接触者になることはありません」
〔特集〕新型コロナウイルス感染症と共存するために「50歳からの心と体の新習慣」(全11回)
取材・文/浅原須美 イラスト/にれいさちこ
※2020年6月30日現在の情報をもとに記載しています。
『家庭画報』2020年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。