名画を巡る30日 200年近い歴史を誇るロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する、珠玉の名画61点が初来日しています。東京では10月18日まで、そして11月3日より大阪で開催される、世界で初めての「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」から、厳選した30枚の名画を、毎日ご紹介いたします。パリ在住の展覧会プロデューサー・今津京子さんに、知られざる名画の秘密を教えていただきましょう。
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フェルメール 『ヴァージナルの前に座る若い女性』
ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》1670-72年頃 油彩・カンヴァス ©The National Gallery, London. Salting Bequest, 1910ロンドン・ナショナル・ギャラリーには2点のフェルメールがあり、両作品ともヴァージナル(ハープシコードの一種)の前に立つ女性像。こちらは最晩年の作品で、手前にはヴィオラ・ダ・ガンバも描かれています。女性は通奏低音を奏でる伴奏者を迎え入れようとするかのようにこちらを向いています。窓から光が差し込んでいないので夜なのでしょう。わずかな光が彼女に当たっています。今回の展覧会監修を務めたロンドン・ナショナル・ギャラリーのバート・コーネリス氏はオランダ絵画の専門家ですが、フェルメールが細部の描き込みにこだわらず、自由闊達な描き方をしていること、特にこの作品で金の額縁にそれが顕著に表れているところに是非注目してほしいと語っています。
今津京子/Kyoko Imazu
写真/小野祐次展覧会プロデューサー。パリをベースに、今回の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」、「モネ展」(2015年)、「オルセー美術館展」(2014年)など、30数年にわたり数十の大型展覧会の企画に携わる。
日仏英の3か国語を操り、美術、ファッションなどの分野でジャーナリストとしても活動。音楽、演劇、料理、アンティークなどアール・ド・ヴィーヴルをこよなく愛する。
『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』
写真提供/読売新聞社約200年の歴史を誇るロンドン・ナショナル・ギャラリーが、初めて館外で大規模な所蔵作品展を開催。61作品すべてが初来日となる。英国とヨーロッパ大陸の交流という視点で、ルネサンスからポスト印象派までの西洋絵画史を辿る。
東京会場:国立西洋美術館~2020年10月18日(日)
月曜休館(8月10日、9月21日は開館)、9月23日休館
一般1700円
お問い合わせ:03(5777)8600(ハローダイヤル)
大阪会場:国立国際美術館2020年11月3日(火・祝)~2021年1月31日(日)
11月16日、11月24日、11月30日、12月14日、12月30日~1月2日、1月18日休館※休館日は変更になる場合があります
一般1700円
お問い合わせ:06(6447)4680(国立国際美術館代表)
※東京会場は日時指定制となります。国立西洋美術館では入場券の販売はありません。詳しい入館方法や最新情報は展覧会公式サイトでお確かめください。展覧会の詳細はこちら>>