家庭画報のレジェンド・レシピ スパイス香る真夏の「名人カレー」 第13回(全15回) 創刊号から最新号まで、『家庭画報』に掲載された膨大な数の料理レシピの中から、今、改めてお伝えしたいものを編集部が厳選してお届けする「レジェンド・レシピ」。今回は暑い夏に食べたい料理の筆頭格、カレーの名作レシピをお届けします。スパイスづかいやちょっとしたひと手間に、作り手のセンスが光るアイディアが満載。異国情緒たっぷりの「名人カレー」に挑戦して、夏を元気に乗り切りましょう。
前回の記事はこちら シェフが提案するお洒落な逸品
おもてなしのフレンチカレー
市販のカレールーを使わず、フランス料理の食材や手法を使って作るフレンチスタイルのカレーは、カジュアルに楽しむ集いのシーンにぴったりです。ワイン片手に味わいたい、スパイスで香り高く仕上げるお洒落なカレーのレシピをご紹介します。
菊地美升さん(ル・ブルギニオン オーナーシェフ)のアイディア
ワインが似合う、洗練のアレンジカレー
仔羊のモロッコ風カレー
使う食材の多くは家庭料理でおなじみのもの。ところが、素材の合わせ方やスパイスとハーブづかいなどのセンス溢れるひと工夫をすることで、お洒落なフレンチスタイルになるカレーレシピを菊地美升さんに教わりました。南仏の赤ワインと合う「モロッコ風カレー」はクスクスとともに。“ご飯と一緒に食べるもの”という既存の概念にとらわれないことで、カレーの楽しみ方はぐんと広がります。おいしいもの好きのゲストも舌鼓を打つ、人気シェフが提案するご馳走カレーです。
菊地美升さん
(きくち・よしなる)1966年北海道生まれ。都内のフランス料理店で修業後、91年に渡欧。フランス各地のレストランで約3年、イタリアで8か月腕を磨き、ワインへの造詣も深める。帰国後、2000年に「ル・ブルギニオン」をオープン。
ル・ブルギニオン東京都港区西麻布3-3-1
電話 03(5772)6244
※2003年7月号「ご馳走カレーでおもてなし」より。
仔羊のモロッコ風カレー
【材料・4人分】
・ラム肉(肩、もも肉など) 400g
・玉ねぎ 1個
・にんにく 1かけ
・にんじん 1/2本
・水煮トマト(ホール) 1/2缶
・パプリカ(赤) 1/2個
・なす 3個
・ピーマン 4個
・カレー粉 大さじ2
・フレッシュタイム 1~2枝
・ベイリーフ 1枚
・クミンシード 小さじ1
・塩・こしょう 各適量
・オリーブオイル 適量
・水 1.5L
【作り方】
(1)玉ねぎ1/2個、にんにくはみじん切りにし、にんじんはシャトー切りにする。
(2)ラム肉はぶつ切りにして塩・こしょう各少々をふり、フライパンにオリーブオイル少々を熱して表面を焼く。
(3)鍋にオリーブオイル少々を温めて(1)のにんにくを炒め、香りが出たら玉ねぎを加えて炒め合わせる。玉ねぎがしんなりしたらにんじんを加えて炒め、(2)も加える。カレー粉をふり込み、肉にからめながら炒め、水煮トマトを手でつぶしながら加え、水を注ぎ、煮立たせる。
(4)あくを除いて火を弱め、フレッシュタイム、ベイリーフ、クミンシードを加え、フツフツと煮立つ程度の火加減で1時間30分~2時間煮込む。
(5)残りの玉ねぎ、パプリカ、なす、ピーマンはそれぞれくし形切りにし、別鍋にオリーブオイル少々を熱して炒める。
(6)(4)の仕上げに(5)の野菜を加え、ひと煮立ちしてから10分煮込み、塩・こしょう各少々で味をととのえる。味をみて、辛みがたりないようならカレー粉をたす。器に盛り、別器でクスクス(次項参照)を添え、クスクスにカレーをかけていただく。このほかソーセージやラム肉、鶏肉などのソテーを添えると、より本格的なクスクス料理に。
クスクス
【材料(4人分)と作り方】
ボウルにクスクス1カップを入れて塩ひとつまみをふり、沸騰した湯1カップを注ぐ。ラップをして20~30分蒸らし、E.V.オリーブオイル大さじ1を混ぜる。器に盛り、あれば彩りにパセリのみじん切り適量を散らす。
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撮影/今清水隆宏 イラスト/金子ともこ 文/鈴木博美
※レシピは、掲載時の材料と作り方を基本としています。
※ご紹介した料理はあくまで家庭で作るために考案したものであり、料理店ではオーダーできません。
※各レストランの営業については、お店に直接お問い合わせください。
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。