著名人と考えた「平成遺産」
アナログからデジタルへ、ハードからソフトへ──21世紀の幕開けと歩調を合わせるかのように、デジタル化の波がグローバルな潮流として押し寄せ、私たちの生活を根底から一変させていきました。スマートフォン、GAFA、インターネット、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)……暮らしの隅々までデジタルが入り込み、決して手放せないものになりました。
モノの豊かさを背景とする昭和30年代の変革を「生活革命」の時代と呼ぶならば、平成は情報技術の革新が続いた「デジタル革命」の時代。平成時代は、デジタルによる生活のソフトウェア化が、豊かさと結びついた時代でした。
平成の世になってバブル経済が崩壊。その後、デジタル革命、震災などさまざまな出来事が起きました。新しく生み出された時代の象徴を挙げながら、約30年の平成という時代を振り返ります。
小渕恵三官房長官が掲げた「平成」ボード
写真/読売新聞・アフロ選/文・泉 麻人 (コラムニスト)時の官房長官・小渕恵三氏が「平成」と筆書きしたボードを掲げて新元号が発表されたのは正確にはまだ平成ではなく昭和64年の末日、1月7日の午後2時半ごろのことでした。
続きはこちら>>時代の潮流を体現した場所「六本木ヒルズ」
写真/山梨将典・アフロ選/文・東儀秀樹(雅楽師)僕は六本木ヒルズの住民ではないし、それほどしょっちゅう出かける場所でもない。それでもやはり東京の、そして時代の象徴的な雰囲気は確実に感じていた。時代はバブル崩壊を通り過ぎ、いろいろな意味での格差が浮き彫りになっていった。
続きはこちら>>街の記憶が確かに継承された「5代目 歌舞伎座」
平成25年春、新開場となった東京・東銀座の5代目歌舞伎座。先代とそっくりな外観に、建物がそのまま保存されたのだと思っている人も少なくないようです。が、この5代目は、紛れもない新築で、見上げれば後方の29階の巨大タワーと接続していることがわかります。
続きはこちら>>誰もが現代アートの虜に
撮影/渡邉 修 提供/金沢21世紀美術館選/文・笹岡隆甫 (華道「未生流笹岡」家元)現代アートが身近に感じられるようになったのは、平成という時代が残した遺産の1つだ。ルイ・ヴィトン等とのコラボにより、草間彌生氏、村上 隆氏といった世界的なアーティストの名前がアートに関心がない層にも浸透した。国際芸術祭やアートフェアが国内各地で開催され、まちづくりにアートは欠かせないものとなった。
続きはこちら>>平成の新名所「東京スカイツリー®」
写真/高橋正郎・アフロ放送作家・小山薫堂さん選の平成遺産「東京スカイツリー®」。高さ634メートル、世界一高いタワーは、平成24年5月に電波塔・観光施設として開業。
続きはこちら>>スペースシャトルと日本人宇宙飛行士
写真/Science Photo Library・アフロ平成4年、日本人として初めて毛利 衛さんが宇宙に飛び立ちました。まさに平成に入ってから大きく動きだした宇宙ビジネス。続く、日本人宇宙飛行士たちも話題となり、人々の宇宙への夢が一気に膨らんだのです。
続きはこちら>>国民栄誉賞を受賞した五輪金メダリストたち
写真/共同通信社平成28年のリオデジャネイロ五輪レスリング女子58キロ級で金メダルを獲得した伊調 馨さん。女子個人種目では五輪史上初の4連覇を成し遂げる。決勝戦での“ラスト4秒の逆転劇”は日本中の感動を呼び、連日メディアで報じられた。
続きはこちら>> 本誌が考える【平成遺産】とは、平成時代に生み出されたもの、もしくは平成時代に広く一般に親しまれたもので、次世代へ継承したいモノ、コト、場所を指します。
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。