「あまい、まるい、おおきい、うまい」の頭文字が品種名の由来である「あまおう」。福岡県農業総合試験場で育成し2005年に登録されたこのいちごは、県内限定の生産でありながらも全国的にも人気が高く海外へも輸出されるなど、高いブランド力を誇っています。今の季節はまさに「あまおう」の最盛期。家具のまちとして有名な大川市は、一方でいちご農家が多く、あまおうの一大産地です。なかでも「楽農ファームたけした」では、減農薬での「あまおう」の生産に挑んでいます。いちご生産農家ならではの「あまおう」を贅沢に使ったジャムなどの加工品も人気を呼び、ジエラー卜は昨年、山陽新幹線の車内販売(期間限定)に採用されました。[caption id="attachment_856" align="alignnone" width="377"]
「あまおうジエラートJ は、乳脂肪分を入れす、舌触りを損なわないいギリギリを追求した果肉含有率56パーセント。6個入3500円。[/caption]
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きぴ砂糖を使用、果肉含有率85パーセントの「あまおういちごジャム」。2個入り2980円(ともに税・送料込み)[/caption]
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楽農ファームたけしたでは減農薬で育てた完熟あまおうを直送で届けている。[/caption]
「福岡のいちごはレベルが高い」とは、フランス菓子店「ジャック」のオーナーシェフ・大塚良成さん。世界最高峰の洋菓子協会であるルレ・デセール会員の大塚さんは、東京・パリなどでパティシ工として携わる中、「あまおう」が誕生する以前から福岡県産いちごの品質の高さに注目してきました。「フランス菓子で僕が好きなのはタルトです。しっかり焼き色のついたアーモンド生地の上に季節を待ちわびた旬のフルーツ。香りと食感のハーモニーにビタミンも豊富なお菓子です。特に、あまおうが出回る季節をいつも心待ちにしているんですよ」。 [caption id="attachment_862" align="alignnone" width="670"]
大濠公園近くにあるパティスリー「ジヤツク」の期間限定のスペシャリテ、タル卜フレーズ(直径12センチ)2000円。タル卜生地の聞に「あまおう」のコンフィチユールとフリーズドライを加えるなど、「あまおう」の多彩な味わいがこの一つに詰め込まれている。[/caption]
「あまおう」をお酒にしてしまったのが「若波酒造」です。本来いちごは酒には向かない素材。その開発に意欲的に取り組んだのが蔵元の次女である今村友香さんです。2006年には手がけた純米酒が福岡国税局酒類鑑評会にて優秀賞を受賞。女性杜氏として酒造りにかける情熱が名実共に認められたのです。「あまおう」をめぐるスイー卜な味の物語から、ぜひ福岡の春を感じてください。 [caption id="attachment_860" align="alignnone" width="375"]
「くだもん 博多あまおうJ 720ml 1250円。アルコール分が5パーセントでストレートやロックで楽しめる。[/caption]
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若波酒造8代目杜氏兼製造統括の今村友香さん。この商品は今村さんが開発した「あまおう」のリキュールから新しく派生したお酒。[/caption]
●楽農ファームたけした福岡県大川市大字大野島427-1TEL:0944-87-8133営業時間:9時~17時日曜定休http://www.happy15.jp/●Jacques 大濠店福岡市中央区荒戸3-2-1TEL:092-762-7700営業時間:10時~19時火曜定休、不定休ありhttp://www.jacques-fukuoka.jp/●若波酒造福岡県大川市鐘ケ江752TEL:0944-88-1225営業時間:9時~17時日曜定休、土曜不定休https://wakanami.jimdo.com/ ●『家庭画報』2017年3月号掲載 この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。