2014年に河瀨直美監督作『2つ目の窓』で主演に抜擢されデビューして以来、様々な作品に出演。若手実力派俳優・村上虹郎さん。俳優を目指しながらも結果が出ず、詐欺に加担して日銭を手にする翔太が、故郷・和歌山の高齢者施設で演劇を教えることになったある夏。そこで起きた事件をきっかけに、施設で働くタカラと共に翔太は逃避行の旅をすることになり……。豊原功補さんと小泉今日子さんが初めて映画プロデュースに挑んだ『ソワレ』で、翔太を演じた村上虹郎さんに、お話を伺いました。
——翔太役は今まで演じた中でも格別に難しい、とおっしゃってましたね。
「理由は大きく2つあって。まず、翔太が自分の職業と同じだからということ。もうひとつは、彼らしさが明確じゃないことです。そんなにしっかり人間形成できてない人物というか。彼を掘っても掘りづらかったんです。撮影に入る前に、彼がどういう人物であるかっていうところはあらかた外山(文治)監督と話はしていたんですけど、最終的には現場に行ってからしかわからないなと思っていて。
また難しかったのが、最初の1週間ぐらいは、普段役者を生業とされていない方々も一緒に出ていて、役者に自由にやらせる余白があるシーンもあったんです。そういうシーンでどういうふうに僕らが立ち居振る舞うのか、どういう温度でアプローチするかっていうこともなかなかつかみにくくて。役のつかみづらさとダブルの課題だったので、正解がわからず苦しい感じはありました」