――ところで、小西さんが今の仕事を始めたきっかけは何だったのでしょう?
「高校時代にスカウトされて、芸能事務所に入ったことがそもそものきっかけです。ただ仕事を始めたのは、大学卒業後です。大学時代は事務所に籍だけ置かせてもらって、自分で作った曲を路上で歌っていました。僕はそれまで、やりたいことは何?と聞かれても答えられない人間だったんですが、20歳頃からギターを弾き始めて、路上で歌うようになったときに、“人生がスタートした!”という感覚があって。そこから、人前で何かを表現する仕事をしたいと思うようになって、大学を卒業するタイミングで自然とこの道に進みました」
――最初から自作の曲を歌っていたのですか?
「はい。普通はカバーから入ると思うんですが、僕の場合はそれまであまり音楽を聴くほうではなかったうえに、たまたま出会ったストリートの仲間たちが、みんなオリジナル曲をやっていたんです。じゃあ俺も、最初からオリジナルを作っちゃえ、と思って(笑)。どんな駄作でもいいから作ってみよう、やってできないことはない!という感じで、曲を作り始めました。そうすると、ギターも早く覚えられるんですよ。しかも、やっていくうちにどんどん楽しくなって、毎日が豊かになっていく」
――実際にできてしまうところがすごいです。
「いや、みんなやればできると思います。たとえば、ふと鼻歌を歌ったりしますよね? それにコードをつければ、オリジナルソングですよ。やればできるのに、みんな理想が高すぎて、できないと思っているだけだと思います」
グラミー賞受賞作曲家ジェイソン・ハウランドが手がけた多彩な楽曲も魅力的。「僕が特に好きな曲は、『ゴンドラの唄』からつながっていく最後のナンバー『青空に祈った』です」。