――自粛要請期間以降、バンドメンバーと一緒に無観客配信ライブも開催なさっていますね。
「はい。ここ最近は、コンセプトから自分で決めてライブをやっています。これもまた“やってできないことはない”精神で一生懸命やっているうちに、いろいろなことがわかってきて、どんどん面白くなっていて(笑)。たとえば、無観客ライブであることを逆手に取って、客席に自分の理想の形のステージを組んで、曲の世界観を照明や美術や音響すべてで具現化してもらったり。かかわってくれる人たちも一緒に楽しんでもらえるように、しっかりプランを練ったうえでお願いすると、みんな“大変だったけど、面白かった!”と言ってくれる。そういう空気感は配信でも伝わるので、お客さんにも楽しんでもらえます」
――“やってできないことはない”はいつ頃からのモットーなのですか?
「そうですね……20歳頃、自分が好きなこと、やりたいことに出合ってからですかね。根っこにあるのは“好きだからやりたい”という気持ちなので。20代の頃、ひとつの原動力で境目なく表現活動ができたらいいな、そういう自分になりたいなと考えた時期があったんですが、当時の自分はできないことだらけでしたからね(笑)。やってできないことはない、ひとつを磨いたらほかの全部にもいい影響を与えるんじゃないか、という思いで前に進んできた感じです」
――自粛要請期間中、舞台が恋しくなったりしませんでしたか?
「舞台は当たり前にやれるものではなかったんだな、人はちっぽけな存在だなということを、まず痛感しました。それから、純粋にお芝居がしたくなりましたね。自粛期間後、最初にやらせてもらったリモートの朗読劇でソニンちゃんと共演したんですが、終わった瞬間、二人揃って“お芝居って楽しい!”って言ったんですよ(笑)。お芝居ってコミュニケーションなんだなと再認識しましたし、その楽しさを生で味わえる舞台は、やっぱり格別だなと思います。リモートは便利ですし、劇場に足を運べない方も楽しめるという意味ではとてもいいツールだけれども、やっぱり生に勝るものはない気がしますね」
8月14日・15日には、無観客配信ライブ第2弾『KONISHI RYOSEI Broadcasting LIVE 2020 SUMMER「LIVING-夏の心音-」』を開催した。