《Cloud》2011年 作=レアンドロ・エルリッヒ サイズ=25×256×86センチ選・文/住谷晃一郎(美術評論家)金沢観光の人気スポットに、金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」がある。水をたたえたプールをのぞき込むと、水中なのに人影が。作者はレアンドロ・エルリッヒ、1973年ブエノスアイレス生まれ。
このレアンドロのパブリック・アートは東京でも見ることができる。霞ケ関駅(東京メトロ)に直結している飯野ビルディングである。
1階ピロティにある防風スクリーン「Cloud」。ガラスの直方体の中にふわっと雲が生け捕りにされている。
側面から見ると10枚のガラス板を重ねているだけである。雲が徐々に拡がり、また元にもどるようにセラミックインクで各ガラス板に段階的に描くことで、それらを重ねるとあたかも雲が浮かび上がっているように見える。
夜は内蔵するLEDライトでまた異なる表情を見せる。
撮影協力=飯野ビルディング 取材協力=アートフロントギャラリー 撮影=本誌・武蔵俊介
『家庭画報』2020年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。