一度しかない今日この時を、精一杯「生き切る」ということ
文/川野泰周(林香寺住職・精神科医)その昔、中国の仙人が壺の中に入り、桃源郷で悠久の時を楽しんだという逸話があります。
私たちがあくせくと生きるこの現実世界、理論上は皆1つの時間軸を共有していますが、その主観的速度は千差万別。
あれこれ思索してあっという間に終わってしまう1日も、「今ここ」という壺の中に心を置いた途端、この世界の美しさを知るひとときに生まれ変わります。
めくるめく激動の時代にあっても、ひとひらの好奇心を携えて今を生きる、本当の「生き方上手」でありたいと思うのです。
『家庭画報』2020年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。