コロナウイルスでブルーマンも活動休止に。でもあきらめません
さてさて、そんなこんなでボストンに戻ってちょうど半年が経った3月中旬。コロナウイルスによるパンデミックがこちらにもやってきました。
学校が完全休校となると同時に、全米のブルーマン劇場も閉鎖。その時点でパフォーマーはもちろん、ほとんどの関係者が全員、職を失ってしまったのです。
はっ!?ということは、私もう“青嫁”じゃないじゃん。
「青嫁日記」特別編も名前を変えなければいけないのかしら……などということも頭をよぎりました。
いえいえ、私たち、決してブルーマングループの復興をあきらめたわけではありませんからね! この先長い長い道のりになりそうですが、きっとまたあの舞台に戻れると、またあのお客さまの笑顔に出会えると、私も夫のアダムも心から信じています。あきらめない限り私はまだまだ“青嫁”なのです。
幸い私たちの住むマサチューセッツ州や周りの州は、比較的早い段階で感染者数の増加を抑えられたので、少しずつではありますが、屋内に集まる人数を制限し、様々な規制のもと、それぞれのビジネスが再開されています。
「きもの」のパワーってすごい!
私のきものの仕事も、感染予防に気を配りながら再開。そんな中で感じるのは、私にとって「きもの」の存在がいかに大きいかということ。
この夏、日本への一時帰国をあきらめたご家族が、ここボストンにはたくさんいます。そしてその中には、我が子の七五三のお祝いを日本で!と何年も前から計画していたのに、断念せざるを得なかった方たちも。
そんな方たちが私を頼ってくださり、ボストンの美しい景色とともに、今しかないお子さまの七五三の思い出を写真という形で残し、「良かった、本当に良かった、間に合った!」と心から喜んでくださったこと。まさに、着付師冥利に尽きる瞬間です。
ボストンでの七五三。着物のレンタルと着付け&ヘアセットを私が担当しました。
私にとって「きもの」は、たくさんの人を幸せにできる大切なツール。海外で着付師のビジネスを始めたときの、「誰かの役に立つ仕事がしたい!」という気持ちに立ち返ることができました。
皆さんとっても幸せそうな笑顔! 私までうれしくなりました。また「きもの」で幸せにできるのは、日本人だけではありません。世の中は暗いニュースばかり、誰もが自主隔離の続く日々で鬱々とし、オシャレして出かける気にもなれませんが、そんなときだからこそ私はせっせときものを着るようにしています。
なぜならきもの姿でアメリカの街を歩く私を見かけた人は、ハッと驚いたその後に必ずにこやかな表情を見せてくれるから。
そんな日常の中で得た、海外できものを着るからこそできる経験や、喜び、びっくりネタ、連載終了後にあったいろいろなことを、次回またお話しさせていただきますね。どうぞお楽しみに!