エンターテインメント

主演のみならず演出も! 『メンフィス』に再び挑む山本耕史さん

2017.11.24

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――2010年のロックミュージカル『GODSPELL ゴッドスペル』で主演&初演出をされて以来、舞台の演出は今回で3度目。演出の仕事はお好きですか?


「正直、自分から率先してやりたいことではないです。演出家という、演出のプロがいるわけですし。ただ、実際に動いて表現することに関しては、演出家より役者のほうが長けていると思うので、役者が演出することで、きっとまた違った目線や思考回路を作品に持ち込むことはできるかなと。なので僕は、どの役もまず自分でやってみるんです。実際に動くとイメージも膨らむし、ここでこっち側に動いてもらうつもりだったけど、動きづらいな……というようなことがわかります」

長い芸歴を持つ山本さん。俳優になって本当によかったと思ったのはいつ頃?と尋ねると「いまだにそう思ったことはないかも。だから続けているんでしょうね」。

――今年は、劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人~Season花~』(IHIステージアラウンド東京)、連続ドラマ『植木等とのぼせもん』(NHK)と『トットちゃん!』(テレビ朝日)にも出演され、なかなかハードな1年だったのでは?


「そうですね。特に、激しい立ち回りがあった『髑髏城の七人~』は大変でした。85ステージもあって、稽古を含めると半年くらいずっとかかわっていたので、公演が終わってもしばらくは、“あれ!?もう終わったんだっけ?”と思ってました(笑)。僕、普通なら降板するような怪我を、4ステージ目でしちゃったんです。周りには“あれを乗り切れたんだから、もう何だってやれるよ”とよく言われるんですが、今思うと、なんとか精神力でもっていた感じです」

――どうやって乗り切ったのですか?


「明日からどうしようと思って試行錯誤するうちに、思いついたんです。“怪我した足を、最初に敵に斬られちゃえばいいんだ。それなら、その後ずっと足を引きずりながら戦っても不自然じゃない”って。2週間ほど、そういう形でやりました。僕の一つの強みは、失敗してもわりとすぐに“なんとかなる。これで死ぬわけじゃないし”と思えるところ。そもそも、どんなに準備しても常に完璧にやれる人はいないわけで、大事なのはむしろ、失敗したときにどうするか。“さて、どうしよう?”と考えると、僕はワクワクするほうですね(笑)。ただ、怪我はやっぱりつらかったです。かばっていたほうの足が酷い状態になりました」
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