フレイル予防5つのポイント
フレイルを防ぐ日常生活のポイントとして注目されているのが病気の予防(健診)と早期治療、食事、運動、口腔ケア、人とのかかわりの5項目だ。食事に関しては食べる量とバランス、特にたんぱく質が鍵になります。加齢によって活動量が落ちるのと同時に胃腸の機能が低下して、食欲も食べ物への興味も減り、それが筋肉の減少、ひいては転倒などにもつながります。
「体重に関する考え方も柔軟にしていただきたいですね。50代、60代までは高血圧や糖尿病、脂質異常症などを避けるために体重をコントロールする必要がありますが、無理なダイエットで低栄養に陥り、フレイルに進んでいくことも考えられます」。
もう一つ重要なのが嚙んで飲み込む機能を維持すること。
「虫歯や歯周病は治療し、定期的に歯科医のチェックを受けてください」。
荒井先生は、運動の目安として50代であれば1日1万歩、70代以上でも8000歩を歩くようにすすめています。人が多くない時間帯や場所を選んで取り組んでみましょう。
また、できるだけ人とのかかわりを保つことも重要です。「女性は80代になると急激に人とのかかわりが減る傾向があります。50代から趣味やボランティアなどで人とのつながりを意識的につくっておきたいものです」
〔特集〕新型コロナウイルス感染症と共存するために「50歳からの心と体の新習慣」(全11回)
取材・文/小島あゆみ イラスト/にれいさちこ
※2020年6月30日現在の情報をもとに記載しています。
『家庭画報』2020年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。