実用性の高さは熟知しているから
2個目からはデザインで遊べる
その頃、ブランドのバッグといえば、20~30代向けの可愛いデザインの手頃な価格のものか、マダムに似合うものかでしたので、40代後半の私が持ちたいと思えるようなバッグになかなか出会えないでいました。
カジュアルやコンサバスタイル両方に持てるバッグをずっと探していたので、「ピーカブー」が登場したときは、「やっと巡り合った!」と興奮したのを覚えています。ただすぐには飛びつきませんでした。ブームが落ち着くのをもう少し待ってからという思いで、デビューから2~3年経ってから満を持して購入。それからはコンスタントに買い足しています。
2つ目に購入したのは、ブラック×レオパードのライニングのミディアムサイズ。「まさに、『ピーカブー』ならではの意外性が味わえるデザイン。きちんとした印象にしたいときには、レオパードは見せずに。ジャケット+ワイドパンツでディナーに行くときなどに活躍しています」プライスと質のバランスが良く、表裏を意識することなく持てる便利さ、素材や装飾で「うわ!素敵!」とときめかせてくれる遊び心と、私がバッグに求める条件をすべて備えていたのです。まずは定番的なデザインを買ってその使いやすさを実感し、次はちょっと遊んだデザインにトライするのを繰り返し、ゆっくり時間をかけて買い足していくようになりました。
グレー、黒と定番色を揃えた後は、遊び心のあるものをチョイスするように。左は、ディテールにパイソンがあしらわれた辛口のデザイン。ファーのチャームはフェンディのメンズアクセサリーからのチョイス。「パイソンは個性が強いので、洋服は色を効かせず、シックにまとめます。目立つバッグのときは“頑張ってる”風に見られないように、引き算のコーディネートを」。右は、グラフィカルなパッチワークが施されたレアなデザイン。「いつもはミディアムサイズを買っていましたが、こちらは荷物がザクザク入る大きめのサイズ。主役になるバッグなので、洋服はシンプルに」実用性はそのままに、新作が出るたびに女心にグサッと刺さるサプライズがある……しかも、そのサプライズは、年々バージョンアップされて、ますますパワフルに。次回は、進化し続ける「ピーカブー」の楽しみ方をお伝えしたいと思います。
・
第22回 場面や装いに合わせてカスタマイズできる、大人の理想バッグ>>
●お問い合わせ
フェンディ ジャパン
電話 03-3514-6187
URL:
https://www.fendi.com/jp/ おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
〔迷い世代の服選び〕 40代にこそ効く「ブランド力」
撮影/大見謝 星斗 編集協力/湯澤実和子