観る人が山本五十六という人を少しでも近い存在だと感じてくれれば
太平洋戦争を描く作品には必ずといっていいほど登場する山本五十六。彼を主人公とする映画も多く作られており、演じたのは三船敏郎さんや小林桂樹さん、役所広司さん、舘ひろしさんら錚々たる俳優陣。そういった映画を豊川さんは「片っ端から観ました」。ただし、「実在の人物を演じるときは、どこか(本人を)再現しようっていう気が起きてしまうような気がして。自分でもいろいろリサーチして、しゃべり方であったり、振る舞い方であったり、そういうものが中心になっていきがちなんですけど、そうじゃなく演じるということを一番大切に考えています」。
「どんなに有名人、偉人でも、一人の人間で。ごはんも食べれば、眠りもするし、好きな人がいれば嫌いな人もいたわけだから、そういうところがなんとなく感じられるようなキャラクター作りをすることが大事だというふうには思っています。(山本五十六という人物は)自分が一番偉い立場にいるから、悩みのようなものを誰にも打ち明けられなかったのかなと。そんな人が一人のときには、どんな顔をするのか、そういうことを考えながら演じていましたし、山本五十六という人が近い存在だと観ている人に少しでも感じてもらえることが僕にとってはとても大切でした」
「山本さんは、周りの人から慕われていた方らしいので、そういうニュアンスが少しでも出れば、みたいなところもあったりしました」