——濱田さんは、足立監督のニヤニヤ顔を参考にしたとおっしゃっていましたが、ほかに役作りに役立ったことはありますか?
濱田:監督も真似してくれっていうふうにはおっしゃってなくて。もとにはしてるけど、フィクションであるっていう、似て非なるものだと言っていらっしゃったので、僕も無理して監督に寄せるってことはなかったですね。でも、ニヤニヤして逆撫でしてより相手を怒らせるとか、そういうことを僕も監督に対して感じたりするんですよね。説明を受けてるときに、「何笑ってんの(笑)?」っていうときがあったりするから。
水川:(笑)
濱田:この笑顔か、みたいな。えびす顔なだけなんですけど。
水川:まあね(笑)。
濱田:それを怒ってる人が見ると、笑っていて、態度が悪い男に見えちゃうっていう。そういう意味では、チカを怒らせるときに、どうやってニヤニヤするんだろう、俺ならしないけどな、って思ってパッと周りを見ると笑ってる男がいるから(笑)。そこは、原作者(足立監督)をちょっとお手本にさせてもらいました。
——クランクイン前に、足立監督の自宅で読み合わせをされたそうですね。そのとき奥さまに会われましたか?
水川:そのときはいらっしゃらなくて。高松で撮影をしたあとに東京に戻ってきて、監督の家で撮影をしたんですけど、そのときに初めてお会いしました。でも、インする前に、モデルとなっているのが奥さまだって知っているので、監督に「一度お会いできたりしますか?」って言ったら、「いや、まぁ、そんな会わなくても」みたいな感じでヘラヘラ〜っと流されちゃって。
濱田:(笑)
水川:「奥さんを演じてくれっていうわけではないので、そんなに気にしないでください」っていうことだったんで、そうか、と。台本のチカっていう役を、演じればいいんだなと思いました。でも、撮影してる中で、私が演じたチカを見て、「奥さんに似てるなと思いました」って言ってきたりはしていて。褒め言葉なのかなと思って受け取ってはいましたけど。
足立監督は、映画『ポテチ』で見せた濱田さんの泣き笑いが印象に残り、「この映画の最後もあんなふうになるといいな」と思ったそう。