——濱田さんからチカ、水川さんから豪太を見て、どう思いますか?
濱田:同業者として見るなら、チカちゃんは難役だなと思っていて。怒ってはいるけど、言葉一つひとつに意味を持たせてないんですよね。でも、お客さまが観たときには、セリフだからなんらかの意味を持ってしまうし、いい塩梅で足し引きして演じないとホントに劣悪な女性になってしまうところを、水川さんは見事にお客さまが応援したくなる女性にしていたから、やっぱりさすがだなって。ただ、例えばもしホームステイ先にチカちゃんがいたとして、チカちゃんと暮らすことになったら、僕は嫌ですよ?
水川:(笑)
濱田:だけど、チカちゃんを怒らせているのは豪太で。そう考えてみると、豪太が怒らせているけども、長年夫婦ではあるから、これはこの人たちの家族の形なんじゃないかなと思うんですよね。客観的に見たら、強烈な女性だなっていうのはありますけど。だから、友達の奥さんとかだったら、ちょっと怖くて会いたくないな(笑)。
水川:(笑)。私から見る豪太は、友達にはなれるタイプかもしれないですね。一緒に飲みに行って、言いたいこと言って、「だからダメなんだよ」って言ってるところをエロい目で見られて、もう二度と会わないみたいな(笑)。
濱田:(笑)
水川:そんな感じも面白いなと思いますね。でも、豪太ってすごくだらしないし、いい加減だし、ヘラヘラしてるし。表面的に見ると、何がいいんだろうとか、この人の長所ってなんだろうとか思うかもしれないんですけど、それでもこの2人が一緒にいるってことを考えたら、そのヘラヘラした感じでいろんなことを乗り切ってきた人間力ってすごいなとは思いますよね。だから、豪太は豪太ですごいエネルギーを持って生きてるなっていう感じはします。
いつか2人と仕事したかったという足立監督いわく、「小説の頃から、水川あさみが演じると面白くなるんじゃないかと思っていました」。