青と白が織り成す煌めきのオーラ
透明感があるのに濃い青──。深遠な魅力を湛えたビルマ産のサファイアを囲むのは、最高級のダイヤモンド。しなやかに動き燦然と輝く美しいデザインは、デコルテに圧倒的な存在感をもたらします。ネックレス(Pt×サファイア31.47ct×ダイヤモンド)6億1309万円(参考価格)/ブルガリ ●お問い合わせ/ブルガリ ジャパン TEL:03(6362)0100サファイアを生かす、ダイヤモンドのデザイン
解説/山口 遼(宝石史研究家)
真っ白なダイヤモンドの海に浮かぶ青色のボートともいえるような、実にすっきりとしたデザインのネックレス。華やかな色使いで知られる「ブルガリ」の新作は、珍しく単色で清新さを出しています。
中央のクッションカットのサファイアはビルマ産、31カラットもあります。聞くところではブルガリでは、確か女性だったと思うのですが、専門の方が一人、一年365日、最高品質の宝石を求めて世界中を旅しているとのこと。そうでなくては、このクラスの宝石は入手できません。
このネックレスの見所は、サファイアの背景にもなっているダイヤモンドのデザインにあります。大小のペアシェイプ、ステップカット、スクエアステップカットなどのダイヤモンドを中心として、自由に動く房を縦方向に連ねたもので、デザインの歴史の上では、カスケード──滝のことです──あるいはフリンジと呼ばれます。古くはメソポタミア起源のデザインです。
このデザインの難しさは、個々の石をとめる爪を極力目立たぬようにしながら、それぞれが自由自在に動いて固定化しないような自由さをデザインして作ることにあります。実際に使うと、女性の肌の上でそれぞれの房の部分が自在に動き、いろいろな方向を向いて、輝く。身につける女性の美しさを楽しく想像できる、名作ですね。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2020年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。