京都&パリ ひみつの美味案内 世界の食都、京都&パリ。地元のグルメな方々に、現地に暮らすからこそ知っているおすすめの美味をこっそり教えていただきます。
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自宅で楽しむ秋の美味
(取材・文/西村晶子)
少しずつ秋の気配が感じられるようになる9月。朝夕が涼しくなり過ごしやすくなると、一気に湧いてくるのが食欲です。今回は、いち早く秋の味覚を味わえる「権太呂」の料理セット、さらに人気のうどんをご紹介します。
松茸に鱧!
秋の味覚を味わい尽くす、年に1度の「ご馳走膳」
ご馳走膳2人分「松」7850円。9月26日まで注文受け付け。ご飯のお供の「長寿昆布」がつく。「権太呂」は明治期に創業した、京都に3店舗を構える麺料理店。お取り寄せ商品は、うどんとご飯ものを充実させ、味の要となるだしを生かした料理も多数用意されています。
今回、取り寄せて作ってみたのは、季節限定の「ご馳走膳」。秋の味覚を代表する松茸を、ご飯と土瓶蒸しで楽しめる2人分のセットです。竹と松の2種類があり、松セットにはさらに小芋の味噌田楽がついています。
秋の香りを存分に味わえる、期間限定発売の松茸ご飯。姿のまま入っている松茸をスライスして炊き込むだけ。お米は新米こしひかり。松茸ご飯は、松茸はカットしていない2本がそのまま入っていて、だしや具材はもちろん、米もつき、準備するのは炊飯器のみ。米を洗って30分ほどおき、スライスした松茸、具材のにんじんと油揚げ、だしを加えたら、あとは炊くだけ。蓋を開けた瞬間に豊かな香りが立ち上がり、青柚子の皮をすりおろすと、おいしさとうまみがいっそう際立ちました。
夏の終わりと秋の始まりが感じられる「鱧と松茸の土瓶蒸し」。鱧のうまみが加わっただしはさらに上品な味わいとなり、柑橘をきゅっと絞ってどうぞ。「鱧と松茸の土瓶蒸し」。写真は1名分で、2パック入り。「松茸の土瓶蒸し」は、だしに中身の具の松茸や鱧などを1人前ずつセットにし、2セット入っています。京都ではこの季節の鱧と松茸は最高の出合いもの。「鱧松」と呼ばれて、秋の定番のご馳走です。
お月見風の「小芋の味噌田楽」。小芋はラップをかけて電子レンジで温め、田楽味噌とけしの実をかけたら完成。小芋の味噌田楽の作り方も簡単で、レンジで温めて、田楽味噌をかけ、けしの実をふりかけるだけ。だしを含ませて揚げた小芋をお月見団子に見立てた、秋ならではの一品でした。
だし文化が息づく京都で
切磋琢磨して生まれた、独自のうどん
「餡掛けうどん」の麺に絡むあんはつやつやキラキラ! うどんはいずれも半生うどんを茹でることから始め、10分茹でて、ざるに上げ、冷水で洗って、麺を引き締めるのがポイント。「権太呂」の看板メニューといえば、麺類。うどん・そばともに京都らしい麺メニューを揃え、うどんはちょっと細めで、だしをたっぷり含む柔らかなうどんです。
一番のこだわりというだしは、澄んだ黄金色。羅臼昆布、うるめ節、さば節、めじか節に、赤穂の天塩で独特の風味を引き出しています。
「餡掛けうどん」1パック1人分939円。冬のあいだ注文受け付け。上質なすり身で作った蒲鉾2種と麩がつく。そのだしのうまみがしっかり味わえるのが、「餡掛けうどん」。京都の人はだしにとろみをつけた餡掛けものが大好物。だしのおいしさがよりわかり、とろみは料理を冷めにくくし、冷えた体も温めてくれます。
和のカレーを意識した「加里伊うどん」。ルウには和の調味料、フレークにはオニオンと油揚げを使用。もう一品の「加里伊うどん」は、だしにこだわった麺料理店ならではのカレーうどんです。だしにルウを溶かし温める時からいい香りが立ち、ひと口食べれば濃く力強いだしのうまみが感じられます。
とろみでおいしさ際立つ
「餡掛けうどん」と「加里伊うどん」
「餡掛けうどん」のだしは、温めただしに水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、器に盛ったうどんにかけるだけ。熱々の餡とうどんが一つになり、完成です。
「加里伊うどん」1箱1人分1058円。通年商品。和風のカレールウ、オニオンと油揚げのフレーク、スパイスがつく。片栗粉ボトルは肩のところまで水を入れて振ると、ちょうど良いとろみがつく。一方、「加里伊うどん」のだしは、自家製ルウを加えたオリジナルだし。ルウはカレー粉に白味噌、練りごま、秘密の隠し味を合わせており、だしの香りやうまみがしっかりあって、カレーの深いこくも感じられます。さらに、別に添えたきざみ揚げをカリッと揚げたフレークを散らすと食感と香ばしさが、別添えのスパイスを加えるとスパイシーな刺激が後から追いかけてきて、味の変化も楽しめます。
どちらも難しく感じるのが、おつゆのとろみの加減。このセットにはだしに合わせた量の片栗粉を入れた小さなボトルがつき、これに水を加えてシャカシャカ振って回し入れれば、ダマにならず、程よいとろみがつきます。
シンプルにしておいしさのコツがすべてクリアできる、麺セット。メニューは他にもいろいろあって、贅沢に味わいたいなら名物の京風うどんすき「権太呂なべ」がおすすめです。
取り寄せて常備するもよし、敬老の日のプレゼントにしても喜ばれそうです。
錦市場の近くにある、権太呂本店。京都だけに店を構え、岡崎店と金閣寺店の3店舗。店内は数寄屋造りで、テーブルや掘ごたつの席、座敷がある。権太呂
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関西を拠点に、京都の食や文化、人、旅を幅広く取材、編集。長年、『家庭画報』の京都企画を担当し、さまざまな記事を執筆。最近の書籍の仕事に『
旨し、うるわし、京都ぐらし』(大原千鶴著)がある。
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