写真/PIXTA
ジュエリーのどこを見るべきか
さてジュエリーは、宝石にデザインが加わり、それに従って加工が施されたものです。つまり、宝石+デザイン+作りから成り立っています。良いジュエリーであるためには、この3つがすべて優れていなければいけないのです。選び方のポイントを一つずつ簡単に説明します。
宝石
まず初めに宝石については、今では鑑別・鑑定というのがシビアになり、昔のように赤いガラスをルビーと称するようなことはなくなっています。まあ、それでも時々新聞などで騒がれるダイヤモンドの品質については、まだすっきりしない面もあります。最近決まった「消費者契約法」という法律で、販売時に明確な説明がない場合、一定期間内であれば取り消しができることになりましたから、きちんと宝石の良し悪しについて聞くということが大切です。
デザイン
次のデザインというのは難しい。つまりですね、何がデザインの美であるかというのは非常に主観的で、世の中の人全員
美しいと思う(もしくは感じる)ジュエリーは存在しないのですよ。
なので、ここでは私見を一つ述べましょう。最近では、ジュエリーデザイナーと呼ばれる人々が多数存在し、たくさんのデザイナーズブランドがあります。なかでも、自分の作品についてとうとうとまくしたてるデザイナー、これは要注意です。美というものは説明されて分かるというものじゃない、見て感じるものです。説明されなければ分からない美は、そもそも美じゃない、と思います。とにかく宇宙を語りエコを語り、イタリア、フランス、トルコと、まあ話だけは絢爛豪華なデザイナーよりも、寡黙な人の方が良いジュエリーを作っていると私は思いますね。
作り
さて3番目の作りです。これが大事ですよ。あまり気づかないことですが、ジュエリーには指輪を除いて動く部分があります。ブローチならピン、ブレスレットやペンダントなら繋ぎの部分、イヤリングなら耳に接する部分のでき具合やスクリューの回転部分などです。そうした部分がスムーズでないジュエリーは、すべてどこかに手抜きがあります。
ジュエリーのコストを下げる一番楽な方法は工賃を叩くことです。工賃が下がれば、職人さんは製作にかける時間を減らす以外に道はなく、これが品質に表れるのです。可動部分に手抜きがあるということは、他の所にも手抜きがあるということですよ。これが普通の人にも、最も分かりやすいポイントでしょうね。