旬のフルーツが華麗に変身
おもてなしのフルーツカッティング
宮澤奈々(みやざわ・なな)料理研究家。家庭でも再現しやすい、アイディア満載のスタイリッシュなおもてなし料理が大人気。料理と器のスタイリングやテーブルコーディネートの提案、器の監修も手がける。このたび本誌での2年間の連載をまとめた『
素敵なおもてなしのプレゼンテーション』を上梓。
いちじく、柿、メロンをパーティ仕様に。ライムやレモンの実をくりぬいて作った「シトロンケース」にはキャンドルを差し込んでフラワーアレンジメントのセンターに置いても素敵。カッティングの工夫でフルーツを脇役から主役に
「フルーツカッティングと聞くと、複雑で難しいように感じますが、一つの切り方をマスターすれば、さまざまな応用ができます」と話すのは、季節のフルーツを見事に美しく変身させた宮澤奈々さん。たとえばナイフを水平にぐるりとV字に入れて作った「いちじくの花」は今特集でご紹介した、ぶどうやりんご、いちごはもちろん、梨やキウィフルーツ、みかんなど丸みのあるフルーツなら何でも応用可能。「同じ切り方でもまったく違った印象になるのが楽しいですね。カッティングすることで見た目が華やかになるだけでなく、食べやすくなることも、おもてなし向きだと思います」。
フルーツカットに用いる3つの道具左から、皮を細くむくことができる「レモンピーラー」、果肉を丸くくりぬく「くりぬき器」、手になじむ大きさの「ペティナイフ」。
カッティングのやり方を動画でもチェック!>>スライスした柿を射込んで
バラの花咲く柿ケース
【作り方】【1】柿を上下からそれぞれ水平に切り落とす。皮の内側に7~8ミリほどの厚さの果肉を残して、ぐるりと深い切り目を上下から入れる。
【2】(1)で入れた切り目に沿って果肉を取り出す。(1)で切り落とした底の部分を、写真のように中に詰めて、器とする。
【3】切り出した果肉をスライスする。
【4】(2)の器に(3)のスライスを外側からバラの花びらのように並べて盛りつける。ざくろとミントを飾る。
香り高き柑橘のキャンドル
シトロンケース
【作り方】【1】レモンピーラーを使い、レモンの皮に縦の筋目を入れる。
【2】レモンの上下を切り落とす。皮と果肉の間にぐるりと一周、上下からナイフを入れる。果肉を取り出す。ケースにキャンドルを入れる。
白とピンクの美しいツートーン
いちじくの花
【作り方・奥】いちじくを縦半分に切り、断面を下にして置く。へた近くを残し、縦に3~4ミリ幅に切る。果肉を軽くずらす。箸に巻いてくるんとさせたレモンピールを飾る。
【作り方・手前】いちじくのへたから1/3の場所に側面からV字にぐるりとナイフを入れ、上下を離す。
リボンをかけて、手土産にも
メロンバスケット
【作り方】【1】メロンの持ち手の位置にテープを貼り、目印とする。メロンの下から1/3ほどの山形カットの谷にあたる部分に楊枝を刺し、これを目印にナイフを入れてゆく。
【2】持ち手(テープを貼った箇所)の際にナイフを入れ、切り離す。
【3】持ち手の内側の果肉を切り離す。
【4】(2)、(3)で切り離した果肉を丸くくりぬき、盛りつける。ぶどうの花、紙ふうせん(次項のぶどう参照)も一緒に盛る。
多彩にカットした宝石仕立て
ぶどうのビジュー
紙ふうせんぶどうの皮に、縦方向の切り目を入れる。切り目の間の皮を、交互にむく。
花ぶどうの横1/2のところにナイフを入れ、V字を描きながら一周切り込んでゆく。2つに離す。
ダミエぶどうの皮に、縦方向の切り目と、横方向の切り目を入れる。市松に皮をむく。
翼ぶどうの先端をV字に切り、少しずつ幅の広いV字をさらに切る。切り口を軽くずらす。
〔特集〕宮澤奈々 素敵なおもてなしのプレゼンテーション(全3回)
撮影/角田 進 レシピ原稿/柴田 泉
『家庭画報』2020年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。