溜め込んでいた思いを共有できたら
そんな生田さんも、コロナ禍での自粛要請期間中は無力感にとらわれ、自身の存在意義について深く考えたという。
主演を務めていた劇団☆新感線の舞台『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』が、途中で公演中止になってしまったのだ。
「ひたすら舞台に集中していた毎日が急に終わってしまって、不完全燃焼のもどかしさとか、やり場のない悔しさみたいなものをすごく感じました。これを何か人の役に立つ力に変えたいと思ったところで、僕1人では何もできない。自分の仕事は、お客さまがいなければ成り立たないことを改めて実感しました」。
もやもやした気持ちを抱えながら、家の掃除と断捨離に励んでいたと話す。
そこへ届いたのが、黒柳さんとの朗読劇の話。
「夢にも思わなかった出来事で、やります!と前のめりでお受けしました(笑)。早く芝居がやりたいという気持ちが、やっぱり大きいですね。リベンジマッチじゃないですけど、休んでいる期間に溜め込んでいた思いを、お客さまとも共有できたら嬉しいです」。