京都&パリ ひみつの美味案内 世界の食都、京都&パリ。地元のグルメな方々に、現地に暮らすからこそ知っているおすすめの美味をこっそり教えていただきます。
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行楽の秋を味わう
(取材・文/西村晶子)
行楽シーズンの到来です。この秋は“密”に配慮して、少しゆっくりペースで京都を楽しんではいかがでしょう。まずは話題の美術館へ。そして、アートを楽しんだ後は館内にあるカフェでゆっくりゆったり。今年5月、京都・岡崎にリニューアルオープンした「京都市京セラ美術館」のカフェ「ENFUSE(エンフューズ)」をご紹介します。
京都の新しいアートシーンを発信する
「京都市京セラ美術館」
美術館のメインエントランスの右手にあるカフェ。開放的な空間で全56席。1933年(昭和8)に開館した日本で2番目の公立美術館「京都市美術館」が、2年間にわたる大規模リノベーションを経て「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープン。和洋折衷の壮麗な本館はそのままに新しい空間を設け、新旧の融合が美しい美術館としてスタートしました。
リニューアル後の新しい顔になっているのが地下1階の「ガラス・リボン」と名づけられた流線型のファサード。この一画にミュージアムカフェの「ENFUSE(エンフューズ)」はあり、美術館の賑わいと岡崎の街の風景をつなぐ存在となっています。
目に美しく、体に優しい
京都の食材で作るカフェメニュー
季節ごとに内容が替わる「京の素材おかずプレート」1500円(税込み。価格は季節によって変動あり)。カフェは、白を基調にしたミニマルでシンプルなデザイン。地下にありながら大きなガラス越しに岡崎の街並みを見渡せる、明るく開放的な空間です。オープン以来、利用できるのは美術館の展覧会予約者のみでしたが、現在は予約者でなくても入店できます。
メニューは、京都を中心とした全国各地の生産者が大切に育てた食材を生かし、オールデイで食事やスイーツ、ドリンクが充実。なかでもおすすめは、季節野菜をたっぷり味わえる色鮮やかな「おかずプレート」。SNS映えするビジュアルだけでなく内容も充実しており、京都メイドの豆腐やお揚げ、漬け物、卵や調味料なども使い、サラダやカポナータ、コロッケやローストポーク、野菜のすり流し、おひたし、西京焼など、和洋さまざまななおかずをたっぷりと15種類盛り合わせています。
「おかずプレート」の盛りだくさんの内容。写真は夏のメニューより、2色のケールサラダ、柚子胡椒のキャロットラペ、紫キャベツとビーツの甘酢漬け、丸なすのカポナータ、加藤順漬物店の柴漬け、小豆と赤タマネギのサラダ、京もち豚のローストポーク、南禅寺豆腐・手揚げの味噌焼き、鶏とひじきのコロッケ、ビワマスの西京焼など。プラス150円でパンかおにぎりがつく。これだけでもおなかいっぱいになりますが、パンかおにぎりをつけることもできます。おにぎりは赤米を使い、パンは地元で人気の「吉田パン工房」製。終日オーダーできるので、アート鑑賞を優先しながら、時間を気にすることなく楽しめ、早い夕食にもなりそうです。
季節のフルーツとアイスクリームを盛り合わせた「プリンアラモード」850円(税込み)。カフェタイムの利用ならばスイーツをぜひ。レトロな雰囲気の「プリンアラモード」をはじめ、ケーキやタルトを揃え、美術館のコレクションをイメージしたカフェ限定の和菓子も用意されています。
アート、空間、そしてカフェ。この秋はひとところでゆっくり過ごしてみてはいかがでしょう。
岡崎公園や琵琶湖疏水で楽しめるピクニックセット(要予約)も用意され、美術館の外でもフードを楽しめる。詳細は公式サイト(https://enfuse.jp/)を参照。新しいショップやレストラン、月1回開催される骨董市などで注目を集める岡崎エリアの新スポット。ENFUSE(エンフューズ)
京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 京都市京セラ美術館内地下1階
電話 075–751–1010
営業時間 10時30分~18時30分(LO)
定休日 月曜(祝日の場合は営業)、年末年始
https://enfuse.jp/https://kyotocity-kyocera.museum/関連記事
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関西を拠点に、京都の食や文化、人、旅を幅広く取材、編集。長年、『家庭画報』の京都企画を担当し、さまざまな記事を執筆。最近の書籍の仕事に『
旨し、うるわし、京都ぐらし』(大原千鶴著)がある。
撮影/伊藤 信 表示価格はすべて税別です。