2019年は、大規模な個展『BOUM! BOUM! BOUM! 香取慎吾 NIPPON 初個展』を開催。「今、描きたい大きな絵が3つあるんです。同時進行で描こうと思っています」。日本屈指の人気脚本家との距離が縮まった出来事
三谷さんが脚本を手がけた2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』で、主役を務めることになった際のエピソードも興味深い。
「最初は僕、お断りしたんです。大河ドラマをやることで、いろいろなバラエティ番組がやれなくなったら困るなと思って。
そしたら三谷さんに“大河ドラマを書くことは脚本家としての夢だった。あなたがやらないなら、僕はその夢を諦める”といわれて、ええっ! って。最終的に、バラエティも全部続けられるなら、やらせてもらいますと答えて、とんでもなく大変な年になりました(苦笑)。
でも、若かったとはいえ、そのとき三谷さんに“何ですか、それ。そんなこといって、ずるいですよ!”といえたことで、打ち解けられたというか。きっと長くおつきあいしていくことになるんだろうなあと感じました」
飾らない人柄が魅力的。そんな香取さんもコロナ禍でのステイホーム中は、気持ちが落ち込みがちだったそう。
「今まで、あれもこれもといろんなことをやってきたのに、急に時が止まったようになって、自分の人生も生活も、仕事としてのエンターテインメントも、もう元に戻らないんじゃないか? どうしたらいいんだろう? と考え込んでしまって」。
そこへ飛び込んできたのが、劇場再開の先陣を切るかのように、三谷さんが新作舞台の幕を開けるというニュース。
「背中を押してもらいましたね。そうか、ここで止まってちゃいけないよなって。何が起こるかわからないからこそ、今は、小さいことでも、大きいことでも、叶えられる夢ならば、早く叶えていきたいと思っています。創作意欲も湧いてきて、やっと動きだせそうな感じです」。
舎人真一を長く演じ続けていくことも、叶えたい夢の1つだといって、笑う。
「三谷さんも、今回の8話が“シーズン1”だとしたら、“シーズン10”くらいまでやりたいそうです。でも、その夢が叶うかどうかは、皆さん次第。ぜひ何回も観て、好きな話を見つけてもらえたら嬉しいです!」
香取慎吾/かとり しんご
1977年、神奈川県出身。アイドルグループのメンバーとして91年にCDデビュー。グループ解散後、2017年より新事務所で活動し、個展を開くなどアーティストとしても活躍。2020年1月には初のソロアルバム『20200101』をリリースした。
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/筒井義昭 ヘア&メイク/ 石崎達也 スタイリング/ 細見佳代
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。