3.森林療法
カーディガン10万円 ニット12万2000円パンツ5万5000円 靴8万5000円/すべてファビアナフィリッピ(アオイ) イヤリング21万円 リング70万円/ともにフォーエバーマーク(日本橋髙島屋S.C. 本館6階ジュエリーサロン) ブレスレット8万円/フォーエバーマーク(伊勢丹新宿店 本館4Fジュエリー)身近な公園の緑を活用してストレスの軽減を森林散策はメンタルケアに有効であると考えられており、その効果を維持するには週に一度、森林に出かけるのがよいとされています。しかし、公園の樹木でも同じ効果があることが岩崎先生たちの研究ではわかっています。
実験では公園に植栽されているクスノキの揮発成分を抽出し、その揮発成分がある部屋とない部屋を用意したうえで被験者にストレスを与え、ストレスホルモンの変化を調べました。
その結果、揮発成分がない部屋ではストレス状態が続くのに対し、揮発成分がある部屋ではストレスホルモンの濃度が低下し、ストレスが緩和されていました。日常生活に「公園セラピー」を取り入れてみませんか。
資料提供/千葉大学園芸学部岩崎寛研究室森林を散策した前後での心理的変化森林散策前後の心理的変化を比較すると「活気」が上がり、「緊張・不安」「抑うつ・落ち込み」「怒り・敵意」「疲労」「混乱」が有意に低下した。
4.食事療法
緑が見える場所で食事やお茶をいただくとよりおいしく感じる屋外で食事をすると「おいしい」と感じることがよくあります。岩崎先生たちの研究でも、緑の見え方で味の印象が変わることが判明しています。
実験では、①庭の緑が見えない席、②窓から庭の緑が見える席、③庭の緑が見えるテラス席、④庭の中にある席の4つの場所を設定し、各所で被験者にお茶を飲んでもらいました。
その結果、庭の緑が見えない①より庭の緑が見える②~④のほうがお茶をおいしいと感じていました。さらに④より③のほうが安心して飲めることもわかりました。
つまり、食事をよりおいしく感じるには緑が見えることが重要ですが、食事空間の心地よさからいえば緑と適度な距離を保つことが大切です。
5.芸術療法
ワンピース24万3000円 ブーツ16万8000円(参考価格) ベルト(参考商品)/すべてエトロ(エトロ ジャパン) イヤリング32万円/フォーエバーマーク(仙台三越 7F宝飾サロン) 指先からリング44万3000円 21万2000円/ともにフォーエバーマーク(トミヤ本店)植物を丁寧に観察し身近に感じて描くことは脳と心を活性化させる花や野菜、果物、自然の風景を描くことは芸術療法にあたり、園芸療法の一環ともいわれています。なかでも岩崎先生がすすめているのが「クリニカルアート」です。これはうまく描くことが目的ではなく、植物を丁寧に観察して本来の姿を知り、植物を身近に感じながら描くという手法です。
このような植物を利用した芸術的な創作活動には脳と心を活性化させる効果が認められており、植物を栽培するスペースのない都市部の高齢者施設などで認知症の予防や改善、心のケアに活用されています。
家で過ごす時間が増えた今だからこそ、屋内にいながら植物を体感できるクリニカルアートに挑戦してみましょう。絵を描くのが得意でない人も楽しめます。
〔特集〕人生100年時代の新しい“自然療法” 健康寿命を延ばす「ガーデンセラピー」(全3回)
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/鍋島徳恭 スタイリング/坂本久仁子 横瀬多美保 ヘア&メイク/鈴木將夫〈マービイ〉 取材・文/渡辺千鶴
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。