郷土料理に触れる楽しみ
料亭風にアレンジした炊き込まない「鯛めし」
愛媛の郷土料理「鯛めし」には2通りの作り方があり、今回は漁師めしをルーツに持つちょっと珍しい鯛めしを、鯛の甘みがダイレクトに味わえるプロ仕立てに。一般的には生卵入りのたれをかけて味わう。
<作り方>
炊きたてのご飯に鯛のお刺し身と、卵黄の醬油漬けをのせ、ねぎやわさび、いりごまを混ぜていただく。鯛はペーパータオルに包んで1時間ほどおき、余分な水分を取り除くと甘みが際立つ。
鴨肉と松茸で贅沢に仕上げた「いもたき」
山形県のいも煮に似た愛媛の秋の風物詩「いもたき」。こちらは鴨肉と松茸を合わせて豪華な一品にアレンジ。里いもはぬめりがなくねっとりと甘い、愛媛県オリジナルの新品種「伊予美人」を使用。
<作り方>
里いもなどの根菜類をたっぷりのだしや醬油、みりんで煮て、根菜の風味が溶け合う深い味わいを楽しむ。
魚料理に果物を合わせ
白ワインとのペアリングを楽しむ
手前は秋の定番「鱧と松茸」に、煮こごりとみかんを合わせたもの。みかんのやさしい甘みと瑞々しさで味がまとまる。奥は熟すと緻密でなめらかになる太天柿のソースに白甘鯛の幽庵焼きをのせ、柿と相性のよい西洋松露(しょうろ)(=トリュフ)を散らした、香りよく華やかなひと皿。
<作り方>
柿ソースを作る。完熟の柿をミキサーでなめらかにし、白味噌少量と薄口醬油数滴を混ぜる。白身魚の塩焼きなどに添えてどうぞ。
【お取り寄せ】
愛媛の旬の果物と野菜を地元の名店から
「山内商店」の太天柿“福嘉来”、ピオーネ、旬の果物、野菜松山市で1930年頃から続く青果店。愛媛の銘柄果物・野菜を扱うことで有名。地元料理人の信頼も厚い。
太天柿「福嘉来(ふくがき)」 写真/東予園芸農業協同組合平均500グラム超えのかぼちゃサイズの柿・太天柿「福嘉来(ふくがき)」や濃厚な甘みのぶどう「ピオーネ」など質のよいものを多数扱う。「福嘉来」(約3キロ、5~6玉入り)6000円、「ピオーネ」(1箱、約4房)4000円(参考価格)。
●山内商店TEL:089(945)9804
【お取り寄せ】
明治37年創業の老舗酒蔵が手がける地酒
「武田酒造」の愛媛県産純米吟醸産地米と石鎚山のまろやかで純粋な伏流水を使い、熟練の職人の手で丁寧に造られる日本酒。「日本心(やまとごころ)」は50パーセントまで磨いた純米吟醸。低温発酵によりふくよかな香りときめ細かな味わい。「媛一会 円月」は芳潤な甘みとキレのよい後味。「媛一会円月」(720ml)1628円、「日本心」(1800ml)3465円(税込み)。
●むらかみ酒店TEL:089(864)4001
表示価格は原則として税抜きです。
撮影/大泉省吾 取材・文/井伊左千穂
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。