2006年に誕生したシンガポール発のティーブランド「グリフォンティー」。現地では、ラグジュアリーホテルからカフェ、レストランまで幅広く浸透。さまざまな茶葉をベースにしたオリジナリティ溢れる絶妙なブレンド、美しいパッケージなど、革新的なスタイルで高く評価されている。現地、シンガポールで探る「グリフォンティー」のおいしさの秘密
ハイティー文化が盛んなシンガポールで、誰もが“おいしい”と評するグリフォンティー。その創業者であり、エグゼクティブディレクターとして、すべてのフレーバーを生み出しているリム・ティアン・ウィーさんに、人気の秘密を伺いました。
リム・ティアン・ウィー
(Lim Tian Wee)中国茶の貿易業を営む一族の4代目。大学時代はアメリカで食品業界のマーケティングと栄養学を学ぶ。アメリカで就職後、シンガポールに戻り家業に参加。2006年「グリフォン」を立ち上げる。有名シェフとのコラボ製品も多数。ほかとは違うものを作りたい。アーティストのような感覚で新しいブレンドを生み出しています
「紅茶、緑茶、白茶といったお茶が、私にとっては白いキャンバスのようなもの。そこにさまざまな素材、ハーブや果物、花などでどのような絵を描くのか。そういった自由な感覚でブレンドしています」。
革新的かつ個性的なブレンドで、ほかとは一線を画するティーメーカーのトップでありながらブランド唯一の“ティーブレンダー”でもあるリムさん。まさにアーティストと呼べるその姿勢から生まれるブレンドは、枠にとらわれないオリジナリティ溢れるものばかりです。
「インスピレーションを与えてくれるのは、旅先の市場やスーパーマーケット。そこから絶対においしいという確信が持てるものだけを選んで製品にしています」。
「現地に足を運んでよいハーブを見つけ、自らブレンドした自信作をお届けしています」。世界中の地域から最高品質のハーブやスパイスを仕入れる。シンガポールのローカル市場はもちろん、インドネシアなど東南アジアのマーケットで珍しいハーブに出会うことも多い。長年の信頼のもとさまざまな国から良質な茶葉を仕入れています
茶葉の選別はすべて現地で行い、シンガポールにある工場にはクオリティの高い茶葉のみが届く。工場では徹底した衛生管理のもと、茶葉の洗浄、保管、ブレンド、包装を行っている。「緑茶は日本の静岡や鹿児島のほか、台湾、中国から仕入れています。中国の白茶もとても上質ですし、ケニア、ウガンダ、スリランカなどにも契約農家があります。今年は天候がすぐれず全体的に不作でしたが、長年のパートナーシップで築いた信頼関係があったおかげで、コンディションのよいものを手に入れることができました」
シルクのサシェは日本製。お茶本来の味を守る理想的なアイテムです
個包装を開けると、深い香りとともに美しいシルクのサシェが姿を現します。
「紙のパックだと香りが損なわれることに気づき、日本の技術で作られたシルクのサシェを採用しました。茶葉も見え、味がクリアに出るんです」。また外箱は「ギフトをもらうような特別感を出したくて。キャンドルボックスみたいでしょう?」と笑います。
シルクサシェは土に還(かえ)る素材。今後カラフルな外側の個包装も日本製の植物由来の紙に切り替える予定で「美しい製品を作るのは当然のこと。そのうえでお客さまには安全で環境に優しいブランドだということも知っていただきたい」。真のおいしさを評価され、たくさんのフレーバーティーが賞を獲得しました
「多くの受賞実績の中でも、特に“食のオスカー”とも呼ばれ、おいしさを重要視するグレート・テイスト・アワードは、計60回受賞しています。純粋に味で評価されているのは嬉しいですね」。
グランドハイアット、インターコンチネンタル、シャングリ・ラ、フォーシーズンズなど、一流ホテルでの採用もその味のよさを物語っています。
シンガポールのラグジュアリーホテルの一つ、リージェントホテルでは、グリフォンティーを提供。すぐに満席になる大人気のアフタヌーンティーは、美しい茶葉を選ぶのも楽しいひととき。