ランプ、時計/リビング・モティーフグロースホルモンの分泌はアンチエイジングに必須
さらに西野先生は、十分な睡眠にはアンチエイジング効果があることを強調します。
これに大きく関係するのがグロースホルモン(成長ホルモン)で、細胞の成長や新陳代謝を促して骨や筋肉を作り、皮膚の柔軟性を維持する働きをしています。
更年期以降にリスクの高まる骨粗しょう症や筋肉の減少を予防して歩行機能を維持し、若々しい肌を保つうえでも欠かせないホルモンの1つなのです。
このグロースホルモンは、眠りのゴールデンタイムといわれる“寝入りの90分”で1日の総量の70~80パーセントが分泌されます。
そしていつもなら寝ている時間に起きていると、まったく分泌されない特殊なホルモンでもあります。
「たとえば5時間しか睡眠時間を確保できなくても、最初の90分を深く眠ることができれば、グロースホルモンの大半を確保できることになります。これにより睡眠リズムが整い、自律神経やホルモンの働きもよくなって翌日のパフォーマンスも上がります」
更年期女性の約半数が不眠になるともいわれています。また、日本人の睡眠時間は世界でいちばん短く、男性よりも女性のほうが短いという統計もあります。
心と体のアンチエイジングのためには、更年期の日本人女性こそ、スムーズに入眠してグロースホルモンを最大限に分泌させることが大切だといえます。
最新研究が明かす
「よく眠る人はウイルスに感染しにくい」
慢性的な睡眠不足の人は感染症にかかるリスクが高くなることが、米国のカリフォルニア大学サンフランシスコ校の最新研究で明らかになった。
Prather AA, Janicki-Deverts D, Hall MH, et al.Behaviorally assessed sleep and susceptibility to the common cold. Sleep. 2015 ;38:1353-9.Cohen S, Doyle WJ, Alper CM, et al. Sleep habits and susceptibility to the common cold.Arch Intern Med. 2009;169:62-7.5日間睡眠時間を管理した人々に実験的にウイルスを感染させた結果、睡眠時間が短いほど感染率が高く(図1)、睡眠効率(寝床で横になっている時間に対する睡眠時間の割合)が低いほど感染率が高くなる(図2)ことが報告された。