寝入りの90分を深く眠るカギは“体温と脳”だった
では、どうすれば寝入りの90分を深く眠り、良質の睡眠を得ることができるのでしょうか。ポイントは“体温と脳”。
「手足の血流が増え、手足から熱が放散されて体内部の温度(深部体温)が下がる際に眠気は強まり、スムーズな入眠が得られます。就寝90分前にお風呂で体をよく温め、体温を一度上げてから徐々に下げていくのが効果的です(下の図参照)」。
深部体温の下降が、入眠や入眠直後の深い睡眠を促す。入浴後は一時的に深部体温が上昇するが、その後大きく下降するので、このタイミングで床に就くとよい睡眠を得られる。西野精治『スタンフォード式最高の睡眠』をもとに作成なお、冷え性の人が靴下をはいたまま寝ると足からの熱放散が妨げられて、余計に体温が下がりにくくなります。足が冷たくて眠れない場合は、足湯で温めてから寝るとよいでしょう。
私たちの身のまわりには脳を刺激して眠りを遠ざける誘惑がたくさんあります。脳が興奮していると体温も下がりにくくなるため、意識して脳のスイッチを切っていくことも重要です。
スマホでの検索に夢中になる、メールのやりとりをするなど脳を刺激する活動は極力避けましょう。また心配事や悩みなどを考え続けることも脳を刺激して眠りを妨げます。
「キーワードは“単調と退屈”。就寝前は、乗りのいい激しいビートの音楽や、ドキドキする面白い本は遠ざけましょう」