『いつも夢をみていた
よく食べよく歌いよく生きた巴里東京ぐらし』
石井好子 著/河出書房新社料理エッセイの元祖といわれる『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』をはじめ、多くのエッセイ集を上梓したシャンソン歌手の石井好子。その人生を幼少期から振り返った1987年刊行の自叙伝が、装い新たに文庫版として再刊。
東京音楽学校での日々、不幸な結婚と離婚を経てのアメリカ留学。シャンソン歌手として武者修行を重ねたパリでの、藤田嗣治、ジャコメッティ、ジャン・ジュネら錚々たる芸術家との交流。成就まで5年の歳月を費やした2度目の結婚、最愛の夫と父の死......。
恵まれた環境と才能を生かす努力を惜しまず、歌うたいとしての人生を謳歌する彼女のそのヴィヴィッドな生き方が、30余年を経た今も新鮮に響く。
「#今月の本」の記事をもっと見る>> 『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。