『チーム・オベリベリ』
乃南アサ 著/講談社140年前、女性宣教師が設立した横浜の共立女学校に通った鈴木カネは、神学校で学んだ兄に乞われ、その仲間の妻となり十勝の原野にわたる。
北海道開拓を目的に晩成社を設立し、出資者や働き手を募った彼らは、蘆の原が広がる土地を、文字どおりゼロから切り拓いてゆく。小屋をつくり、土を耕し、種を播き、川では鮭を、陸ではウサギや山鳥を獲る。
ようやく生長した作物が遅霜、洪水、野火、バッタの襲来......と、容赦ない自然に晒されれば、畜産や澱粉づくりなど、収入のために新たな策を考える。
アイヌの人々と知恵を交換し、経験を糧に新天地オベリベリで地盤を固めてゆく──その歩みを女性の視点から描いたリアル・フィクション。
「#今月の本」の記事をもっと見る>> 『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。