演じるように恋を歌うカヴァーアルバム第3弾
原田知世(はらだ ともよ)長崎県出身。83年に映画『時をかける少女』でスクリーンデビュー。女優のみならず歌手としても活躍し、コンスタントにアルバムを発表。出演映画『星の子』が公開中。「彩りも豊かなので、あっという間に聴いていただけるのではないかなと思います」と原田知世さん。2020年10月にアルバム『恋愛小説3 ~You & Me』をリリースした。
歌詞に描かれた主人公を、そのナチュラルで凜とした透明感のある声で演じるように歌う、女優・歌手の両方で活躍し続けている彼女ならではのラブソングカヴァーシリーズ第3弾だ。
今回は「A面で恋をして」「小麦色のマーメイド」など、自身の愛する1970~90年代のソングライターたちの名曲を中心とした10曲を収録。十数年来の音楽パートナー、伊藤ゴローさんのアレンジも冴えている。
うち4曲は、原田さんが敬愛する細野晴臣さん、大貫妙子さん、小山田圭吾さん、土岐麻子さんとのデュエット。
「皆さんにお受けいただいたときは本当に嬉しくて。これは絶対にいいものになるだろうなと思いました」と原田さん。
念願だった細野さんと歌う、洒落た英語のデュエット曲「ア・ドゥードリン・ソング」(50年代にジャッキー・クーパーが歌った曲)をはじめ、各曲がゲストヴォーカルの雰囲気にもぴったり合った、まさに“You & Me”なアルバムに仕上がった。
「私は、細野さんがカヴァーされたチャップリンの名曲『スマイル』が大好きで、父を亡くしたとき、その胸に静かに染み込んでくる温かい歌声にとても救われました。今もよく聴いている“お守り”のような曲です。自分が作っている音楽に対して、誰かがどこかでそういうふうに感じてくださるとしたら、こんなに幸せなことはありません」
“You & Me”の“You”は“アルバムを聴いてくださっているあなた”でもあるという。
「日常のいろいろなシーンで、たくさん聴いていただけたら嬉しいです。コロナ禍で、アルバムを携えたコンサートツアーが難しい状況ではありますけれども、いつかライブで歌をお届けできたらと思っています」
原田知世『恋愛小説3 ~You&Me』
通常盤 UCCJ-2182 3000円+税 Verve/Universal Music 『家庭画報』2020年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。